ゲ、ゲート??
その場にへたり込んでいた俺は、身動きもできないまま、謎の空間の中へ吸い込まれた。
俺自身が吸い込まれるというより、空間そのものが歪んでいく。
そこには風も何もない。
——重力の、変遷でさえ。
空間が凄まじい勢いで伸縮し、ある一点へと凝縮していく。
空は回転していた。
回転し、全ての「色」が透けていくような“変化”があった。
まるで、カーテンを開いて、外の世界を見るときのような。
地面も空も掻き消え、薄暗い空洞のような闇の中へと引きづり込まれる。
周りにはモヤのような「波」が広がっていった。
渋谷の街並みは消え、物体という物体が世界から追い出される。
上も下もわからない。
地面がどこにあるのかもわからない。
そんな均一化された「色」や「形」が、ドッと視界の隅々に覆い被さる。
『ウォーター・ゲート(次元の狭間)」
謎の生き物はそう言った。
“ここ”は、魔力が結晶化された場所。
「戦い」に於いての純粋な領域。
“魔力の海“
そう形容しても良いそうだ。
馴染みがなさすぎて、「??」って感じだったが…
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