「どこを見ている?」
うぐっ…
ついパンツの方に目がいきそうになり、視線を逸らす。
彼女は銃口を口の中に突っ込んできた。
ゴツゴツして、鉄の味がする。
「この一年貴様のことは見てきたが、宿主に相応しい人間であるかどうかは「保留」の段階だった。この意味がわかるか?」
「…モ、モガモガ(わ、わかりません)」
「仮に相応しい人間であると認めたとしてもだ。宿主の体に触れるということは、私の「体」に触れるということでもある。そんな傲慢不遜な行為が許されるとでも?」
喋りたいが喋れなかった。
さくらとは思えないほどの威圧感。
なんだ、このピリピリとした空気。
背筋に悪寒が走る感覚が、ゾゾゾっと這い上がってくる。
「目」が本気だ。
本気で怒っている。
…でも、さっきまで一緒に笑い合ってた仲だろ…?
そこまで怒らなくても…
「貴様に忠告しておく。私と宿主は対等な関係にある。すなわち、宿主と私は一心同体であり、お互いがお互いの「時間」と「空間」を分け合うものだ。今、この瞬間に於いてこの「肉体」の主導権は私にあり、そのテリトリーも私の手中にある。今度私の「許可」なしにこの体に触れてみろ?2度と触れる事ができぬよう、まずはその指を切り落とす」
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