「浮かない顔だな?」
「んー?」
「まさか、ほんとに何かあったとか…?!」
「なんもねーよ」
「…ふー。だよな。良かった」
何安堵してんだコイツ。
それにしてもどーすっかなー
最近じゃ、ろくに連絡も取ってなかった。
そもそも俺とさくらじゃ校舎も違う。
すれ違うとしたら校門だが、生憎今日はすれ違えなかった。
ま、別にコソコソするつもりもないんだが、さくらのやつすっかり傷心しちまってさ?
慰めようにもわからないんだ。
俺は俺で、まだ整理が追いつかなかったし。
「この色男。寝癖がついてるよ?」
「テメー」
夏海のやつ、なんの悪びれもなく登校して来やがった。
なんで孝太に喋ったんだよ。
言っとくけど、コイツ口がすげー軽いんだからな?
学校中に広まったらどうするつもりだよ…
「で、結局どうなったの?ラインも返信ないしさぁ」
「なんもねーっつーの」
「だってさ?」
「何嬉しそうにしてんの孝太」
「だって先に童貞卒業されたくねーし」
朝から下品な会話をするな。
孝太と夏海は小学生からの幼馴染だ。
家も近いし、時々3人でバーベキューもする。
今年の夏休みもそうだった。
花火大会の後に夏海の家でバーベキューをした。
スーパーで大量に肉をカゴに入れて、急遽お金が足りないことに気づいて…
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