竹刀と竹刀がぶつかる。
鍔と鍔が擦れ合い、焦げ臭い匂いが立ち込める。
ぶつかると同時に、体全身が浮き上がった。
下半身に力が入らなかった。
まるで“岩“だ。
自分よりも遥かに巨大な物体。
それが、前方から迫ってきたように体を押してくる。
“力が強い”ってだけじゃ説明がつかない…
くそ…ッ
なんだこれ…
なんで…こんなに…!
ゴッ
持ちこたえられずに後ろへと吹っ飛ばされた。
力を受け流すつもりでいた。
相手の力を利用し、位置をコントロールする。
しかしそれができなかった。
接触したと同時に、体が“浮いた”。
制御できないほどの「力」が目の前にあった。
まるで至近距離から爆発物を投げつけられたみたいだった。
衝撃を和らげられるほどの面積も、“接点”も無いまま。
「さっさと立て。言っておくが、これが「戦場」だったら、お前はもう死んでるぞ?」
…ぐっ
ヤンキーのくせに何言ってんだ…?
「戦場」…?
そんなことは言われなくてもわかってるよ
生憎だが、これは喧嘩じゃねー
れっきとした「ルール」の中で行われる試合だ。
わかるだろ?
今立つから待ってろ
勝負はこっからだ
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