祐輔の友達が、この数日間病院に来てた。
だからラインもすごいことになっていた。
大丈夫か!?
とか、
生きてるかー!?
とか、
涙が出るくらい温かいメッセージが。
スマホの待ち受けは祐輔の好きなプロ野球選手。
相変わらず、野球漬けの日々を送ってんだね。
感心するよ。
部活に一生懸命なのは。
「あんまジロジロ見んな」
「なんか言った?」
「ジロジロ見んな」
「なんで?私のスマホじゃん」
「お前のじゃねーだろ」
「今は私が「祐輔」で、このスマホは祐輔の。つまり私のじゃん」
「さっきと言ってること違くね?」
「そお?」
楽しそうな高校生活を送ってるんだね。
画面をスクロールしていると、ふと指が止まった。
見覚えのあるものが、そこにあったからだ。
「懐かし…」
コイツとは、ずっと連絡を取ってなかった。
私のスマホからは削除してた。
ラインのトーク履歴は。
「消せばいいのに」
「何が?」
「…いや、別に」
連絡を取るつもりはなかった。
今後も、ずっと。
時々祐輔からは連絡があったんだけど、無視してた。
いちいち反応するのも、めんどくさかったから。
「お前のスマホは?」
「私が持ってるんじゃない?」
「連絡しなくていいのか?」
「したいけどできないじゃん」
「俺のスマホ使えよ」
どうやって??
友達検索で出てこないか?と言われたけど、そんなポンポン見つかるわけないじゃん。
IDなんて知らないし、ニックネームだって、全国にごまんといるだろう。
仮に見つかったとして、あんたから急に連絡が来たらびっくりする。
でも確かに、連絡は取りたいなぁ…
「電話番号は?」
「知ってる…けど…」
「かけてみろよ」
「えぇ!?」
ラインよりタチが悪いって。。
あんたの声でびっくりさせたくないよ。
変声機とかあれば話が別だが。
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