「ごめんね、無理言っちゃって」
「いえいえ、そんなの気にしなくていいですよ!」
なにがどうなってそうなっちゃったのかがよくわかってないが、こんなやつで良ければ使ってください。
…というか、他にいい人はいなかったんだろうか?
祐輔が、先輩に相応しい「彼氏役」になるとは思えませんが。
「むしろ、こんなヤツで良かったんですか?」
「こんなヤツ?」
「ああいや、こんな“俺”で」
うわッ
めっちゃ言いにく!
つい「私」って言っちゃいそうになるんだよね。
私は別に構わないんだけど、祐輔のヤツがうるさくて
「全然!むしろありがとうって感じ。おばあちゃん一目惚れでね?祐輔君のこと、カッコ良かったって」
「カッコ良さなんて微塵もないと思いますが…」
「そんなことないよ?」
「えぇ!?」
おばあちゃんには悪いけど、コイツがカッコいいなんてありえない。
へんなことしか言わないんだよ?
すぐグズるし。
祐輔は小学生の時から野球をやってた。
中学では、全国でもトップクラスのピッチャーだった。
「俺はいつかメジャーに行く!」
それが口癖だった。
子供の頃から。
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