俺のバイトをしているコンビニの店長はちょっとおかしい。と言うのもうちの店長はカッパなんじゃないかって噂されている。髪の毛はてっぺん禿げのその周りはふさふさの髪。まるでカッパみたいな見た目だし朝昼晩全部、キュウリ丸ごと一本食べてるらしい。しかも何も調味料を付けずに…まぁそれくらいならまぁ少し変わってるなぁーで済むのだが一番変なのは雨降った日だ。大雨、果ては嵐の日でも傘は持ってきておらず、それに先輩から聞いた話では、雨の中、嬉しそうに空を見上げていたそうなのだ。いよいよこの店長はおかしいぞ!と店長に詰め寄った先輩が言うには困ったような顔をしながら「ちがうよー、そんなカッパなんておとぎ話にでも出てくるような生物、いるわけないでしょう?」と言って否定されたらしいが俺はそれでも怪しいと思っていた。そんなある日、バイトも学校も休みだったんで、暇つぶしに音楽を聴きながら散歩していた。T橋という橋を渡たりかけた時、事件は起きた。橋の下の川の上流から上半身裸にトランクス姿の店長が気持ちよさそうな顔をしながら流れてきたのだ。俺は一瞬目を疑い、顔を強めに叩いて再び橋の下を見る。すると先ほどより少し先を店長が変わらず気持ちよさそうに泳いでいた。俺はもしかしたら溺れているのでは?と思い、急いで橋の右側から河川敷に降りていき、店長を追いかけて声をかけた。店長は俺を見るなり、ひどく狼狽した顔をして「ど、どうしてここにA君が!?」と言った。「店長こそ何して…いや、それよりも溺れてるのではないんですか!?」それを聞いた店長は困惑の表情を変えなかったが、やがて諦めたように一つ、大きなため息をつくとよっこらせと声を出して河川敷に上がってきた。「見ての通り、溺れてなどいないさ。なぁ、A君。これから話すこと、誰にも言わないって約束してくれるなら、どうしてこんなことをしてたか話してあげるけど」と言われたので、俺は強い好奇心に抗えず、二つ返事をした。店長はそれを聞いて軽く咳払いをした後、淡々と話し始めた。「私がカッパって呼ばれているのは勿論、A君も知っているよね?実はあそこでははぐらかしてたけどね、本当に私はカッパなんだ」俺は思わずえ!と声を出してしまう、今までふざけて言ってた事が本当だったとは…「私の食事に三食キュウリが入っているのは私の好物だから。私が雨の日に傘を差さずに雨に打たれるのはカッパの皿が潤うから。私の皿は普通の人間には見えない様にしてるがその部分だけ隠れるから私はこんな変な禿げ方している様に見えるんだよ。そしてどうして人間界でコンビニの店長をしているかと言えば、家族を養う為だよ」店長はそこまで言い切ると、川に近づき、そこの水を掬ってごくごくと飲みだした。俺が苦い顔をしていると店長はそれを見て笑顔を見せる。「カッパにとっては水は汚くても水…腹壊したり体壊したりなんてしないんだよ」再び店長は俺の横に座り、続きを話し始めた。「私たち一族はとある山奥から来たのだがね、その山は結構昔に、都市計画に伴って無くなった。仕方ないので我々一族はこの土地に移り住んだ。だがここは人間がかなり多い。それには我々は人間に化けて人間の生活を送るしかない。その為に、我々は家族経営でコンビニをやる事になったんだ。どうかこの話は秘密にしてくれ。我々がカッパだとばれたら人間の世界で生きていけないんだ!!」そう言って店長は俺の身体を掴んで揺らす。俺は何とか店長を落ち着けてから、絶対に話さないと約束をした。店長は涙を流して「ありがとう…ありがとう…」と連呼していた。その後、帰宅した俺は今日の体験を思い出して笑ってしまった。まさか本当にカッパだったとは…そして俺はスマホを開き、オカルト掲示板サイトを開いた。俺の愛用してるオカルト版だ。俺はそこに【俺のコンビニ先の店長がカッパだったんだがwww】とタイトルを書き、投稿する。するとすごいスピードでレスが進む。俺はそれの一つ一つに返信していく。俺はこの行為に最高の幸福感を覚えながら、返信を続ける。俺みたいな冴えないバイト学生がこんなに変身をもらえ、楽しんでくれてる。それだけで俺の孤独な心が満たされていくんだ。次の日、俺がバイト先を通りかかると、そこにはマイクを持ったりカメラを持ったりしている人々でごった返していた。それと一般人ぽい人々もスマホのカメラを使ってパシャリパシャリと写真を撮っている。しばらくその光景を見ていると店から店長やその家族(前に見たことのある奥さんと娘息子さんだった)が出てきてカメラやマイクに何やらしゃべっている。やがて奥さんの方は泣き出し、息子さんや娘さんは奥さんの背中をさすっていた。俺はそれを見て、流石にここまで騒ぎを大きくするつもりもなかったので少し悪いことをしたなと思った。一週間後、バイト先だったコンビニは潰れた。変な噂まで流れ始めて、お客さんが来ないどころか記者やテレビ局が毎日店の前で待機していた。そんな事が有っては続けられんと言って三日前に潰れる連絡だけ貰いそれ以降、連絡は来なかった。さすがにやりすぎたな…俺はそんな事を思いながら学校帰りの道を歩いていた。新しいバイト先も探さないとな…と思っていたら、急に俺の身体が浮く。えっと思った瞬間に俺はコンクリートの地面の身体が叩き付けられて、激しい痛みが身体中を駆け巡る。俺が痛みで混乱していると俺の胸倉を誰かが掴んだ。その顔は店長だった。「よくも…よくもバラしたな、貴様!!!」店長はそういうが早いか俺のジーパンを脱がし、パンツをはぎ取ると俺の尻の穴に右腕を突っ込んできた。俺があまりの痛みに悲鳴を上げると店長は大笑いした。「痛かろうな?だが貴様は痛みだけでは許さん!!」そう言うと店長は右腕を俺の尻の穴にさらに深くまで突っ込んでくる。俺はあまりの痛みに意識が薄れていく。そんな俺の耳元で店長が囁く。「あぁ、有ったぞ、尻子玉」俺はそこで意識が無くなった。
とある住宅街。刑事が足元を見て口を覆う。「なんだ、この干乾びた死体…頭のてっぺんの髪の毛だけ不自然に抜けてるぞ…」
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