大蛇戦記壹

大和綾
大和綾

過去との決別

公開日時: 2020年12月17日(木) 12:00
文字数:3,815

5話目になります。


前回の続き

 今日の夜19時にパルフェの家に向かうことにした私たちは自分たちの部屋で映像をチェックしてみることになった。

 私とシグマは内容を知っているが「 お姉ちゃん、私だけこの内容知らないのって不公平じゃない!? だから、お姉ちゃんと一緒にチェックを兼ねて見てみようよ。」っと言い出したからだ。

 ただ、優音には伝えていないことがある。これから見るこの記憶そのものはその当時のドライアド族族長夫妻であり、欲に目が眩んだ人間族《ヒューマン》によって謀殺されてしまうパウリ・フォルティスとエイラ・フォルティスであるということだ。



その謀殺劇にの裏ではモルキア聖教内部の権力闘争があり、王族バシレウス貴族ノービリスなどの奴隷売買トラフィッキングを黙認し、賄賂を受け取っていたモルキア聖教の当時トップである第50代総主教パトリアルヒスのエクザルフ50世とそれに対し奴隷売買トラフィッキングを問題視していたモルキア聖教実質的№2 十二使徒評議会議長(カトルセアポストルス・レーテマギステル) アフクセアズレート枢機卿カーディナルの争いである。

「 今から見る記憶は推定300から400年ぐらい前のドライアド族族長であった人のショッキングな記憶になるよ… それでも見たい? 優音 」

( シグマさん、質問です? シグマさんとお姉ちゃんはいつ見たのですか… シグマさん 答えてください… )



「 うん、見たいよ。 でも、お姉ちゃん 本当はこの記憶を見せたくないのだろうなぁと思う反面 私も… 知らないといけないような気がするからね。にひ 」

( だって… 後悔は絶対に… したくないじゃん。あの時のような… 後悔だけは…ね。 )



「 分かった。優音はそこのベットに横たわっていてくれる? 今から無属性魔法レイト・マジック記憶転写リコルド・レプリックと始めるけど… そろそろ出て来てくれるかな? どうせ、完全に隠れきれてると思ってるんでしょ。そこにいるプルケルくん? 」

( 音春様が戻って来る前に質問にお答えしましょう。それはプルケル様の看病をされている時にはサードニクスアントの胃の内容物にドライアド族とエルフ族の遺体が存在すること その遺体はアンデット化していたことが分かっていたようです。ですが… いえ、この先についてはもうすぐ知る事になりますからね。)っと言い、話しが終わった。



「 えっ… バレていたのか…? 光属性ライト・マジック透明化インヴィジビリティをしていたのに… 」 

信じられないという顔してるプルケルを視認出来る音春は少し呆れたような感じで近づいていき首元をガッシっと掴んで引っ張りながらベット近くまで連れて行く。



「 イッテテテテ 何でバレたんだ? 何もしていないはずなのに…  何でだろう? 」

( なるほど それは害意が無いから優音には気が付かれずにいた訳か… 我らに危害を及ぼそうとすれば… おそらく、優音が真っ先に気付いただろう。)



「 やれやれ お前はバカか。私は、蛇神だぞ。熱探知サーモグラフィーという能力タレンドがある私はずーっ気付いていたが… 優音は気付いていなくて良かったな。それでお前は女子の家に侵入するとか普通なら追い出すが、お前も見たいだろう? 彼らの記憶を… 」

( 多分、音春様と優音様が眠った後で音春様が使う魔法マジックを真似して見に来るつもりだったんでしょう。 それに襲う度胸があるとも思えないのですが… )



「 あぁ、そうだよ… だから、君たち2人が眠ったら僕も少し覗くつもりで… ここに…  」

( あぁ、そうだろうな。あいつのことだから私たち2人が眠ったら少し覗くつもりだったんだろうな。それにプルケルの両親かもしれない記憶を見たいから侵入したのではないのかな。)



「 全く困った奴だ。仕方がない。そのまま3人で進めるぞ。私と優音は右手と左手を 私とプルケルは私の左手と右手をそれぞれ手繋ぎを行い、私の体内にいる彼らの記憶を見ることになる。

手は絶対に離さないように あと、記憶の世界は他言しないように では、やるとしよう無属性魔法レイト・マジック記憶転写リコルド・レプリック

指をパッチンっと鳴らして少し発動時間がかかる魔法のようだったので起き上がろうとしてジタバタと暴れる優音 それを見てGみたいと思って見ていた音春  起き上がるのを手助けしようと立ち上がって声をかけるプルケル 「 大丈夫? 起き上がれないのであれば手を貸すけど…? 」と言うも優音は首を横に振ってそのまま寝てしまったのである。

( お姉ちゃん、起き上がれないからこのまま寝るね。それに無属性魔法レイト・マジック記憶転写リコルド・レプリックって発動時間が意外とあるから おやすみなさい。ZZZ(スヤァァ) )



「 なるはど 分かった… 完全に妹さんには嫌われてるのかな? 一応、気を使ったつもりなんだけどな… 」

( 気を使い過ぎたのかな? でも、初めて女子の部屋にはいるからな… )



「 ふふ 大丈夫だよ。優音は人見知りがあって私と子供以外には滅多な事をしても心は開かない性格だからね。もし、嫌われていたら起き上がろうとジタバタしていた時に助けようとしたでしょ? その時に殴り飛ばされてるよ。 」

( プルケルが近づいた時に殴り飛ばすと思ったけど… 少し、慣れたのか それとも優音が殴り飛ばそうとはしなかっただけなのか? )



「 そうなのか… 少し、可哀相なことしたのかな?  」

( 音春様、 優音様は多分、気を使われたのでしょう。それはそれとしていくら無属性魔法レイト・マジックの発動時間が長いからと言っても… ずっと手を繋ぐのですか? )



「 そういえば、この魔法マジックの発動時間は今から30秒後だよ。分かった? 」

( ん? あぁ、大丈夫 もうすぐ発動されるし、私たちも無属性魔法レイト・マジック記憶転写リコルド・レプリックが発動されると眠りにつくから 緊急時には敵排除プログラム起動してパルス波の使用と私の魔法マジックの使用を許可する。) ( 了解致しました。侵入者は敵意がある者や無属性魔法レイト・マジックを邪魔をしようとしている者等が対象ですね?) ( そう。攻撃対象が村人や特定の種族などは気絶又は眠らせるようにしておいてね。じゃあ、もうすぐ発動時間だよ。) 



「 うん、それにして女の子と手を繋ぐとこんなにドキドキするもんなの? この魔法マジックって周りの人にも反映されるの? 」

( さぁーね? 知らないよ。 私だって初めてだもん。それに男女がこんなに密着すればドキドキするのが普通じゃないの? )



「 うん、この世界全員にかけることも可能だよ。じゃあ、発動される時間だよ。記憶の世界へ 」

( 君は素直過ぎるよ。でも、これでいいんかな。にひ ごほうびだよ。いや、慰めかな… )



「 えっ… このまま行くの? ちょっと恥ずかしいんだけど… 」

( シグマ、私 何かちょー恥ずかしいこと言ったような気がするんだがどうしよう…? )



「 私も恥ずかしいんだから少し我慢しなよ。優音と合流するよ? 」

( 記憶の世界ではぐれられても困るから それに彼らの記憶は一人で見せるのは酷だしね。)



音春とプルケルは優音と合流するため、優音が先に向かったと思われる中心部に向かっていく最中、無属性レイト・マジック記憶転写リコルド・レプリックの説明とこの世界誕生について説明をする。

無属性レイト・マジック記憶転写リコルド・レプリックは本来、人の記憶や動物の記憶などの全体記憶から部分記憶を転写することが出来るだけの魔法マジックそれだけなのにどうやら私の能力タレンドである創造クレアシオン同調シンクロしたみたいで、彼らの記憶やこの世界 イグドヘルムに住む全ての種族の記憶さえも見える世界が完成しっちゃった訳なんだよね。」



「 なるほど… 凄いことになってる…けど、僕は初めてこんな美しく輝いている世界を見たかな? 」



「 あぁ、そうだね。この世界は紛れもなく美しい。でも、悲しい記憶 楽しかった記憶 嬉しかった記憶など様々ものがあるからだと思うんだ。そうじゃないとここまでの美しい虹色に囲まれた世界は出来てないはずだからね。それにしても、優音はどこだろう? もうすぐ、中心部のはずだけど… 」



そう言っていると後ろから声が聞こえる。「おーい、お姉ちゃん!! おーい 」っという声が 音春達が振り向くと手を大きく振っている優音の姿が見えた「 お姉ちゃん、気付くの遅い。ムゥー!! 」って二人ともに向かって言った。



「 優音 そこにいたの? さて、これで全員、揃った訳だし二人ともが見たい記憶を見せてあげるよ。一応、忠告しておくけど結構、胸糞悪いから吐かないようにね? 」

( それにってどういうことなの? こいつに関係があって私が知りたいお姉ちゃんとシグマさんの秘密なの…? )

 彼はちょっと切なそうに でも、それを気にさせまいと笑顔を優音に見せた。

  


「 ちょっと待って!! まだ心の準備が… 」 「 ハァ… 今のお姉ちゃんに何を言ったって無駄 多分、心の準備とやらをしても相当、グロいんでしょ。」 「 えっ… そうなの? そんなの聞いてないけど… 」 「 ドンマイ 私も聞いてないしお互い様だね。」 「 うん、そうだね… ゴクリ 」

 音春が指をパッチンっと鳴らすと周りの空間が変わり、周囲に存在していた数多にある記憶が消えて空にアンデット化したドライアド族の記憶が映し出される。


2へと続く…!!


用語

※エクザルフはロシア語で総主教代理という意味を持ち、役職・称号として使われているそうです。過去では東ローマ帝国時代には総督・地方太守という意味も持っていたそうなので世界史専攻の方は頭の片隅に置いておいたら良いかも知れませんね。



 ※トラフィッキングの本来の意味は人身取引になります。

この作品では人身売買という意味で使います。



※十二使徒はマルコによる福音書、マタイの福音書、ルカの福音書、使徒言行録、パウロ書簡、ヘブライ書、ペトロ書、ユダ書、ヨハネの黙示録に記されているイエス・キリストの高弟(弟子の中でも特にすぐれた者)のことをさします。

この作品では十二使徒はモルキア聖教のトップである総主教の議会メンバーという扱いになっています。

この十二使徒が今後のお話にも関わって来るので是非、覚えてください。


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