改稿はちょくちょくやっていきます。誤字脱字などがあったり、不適切な表現などがありましたら感想もしくは誤字脱字報告に投稿していただけると幸いです。
私、小鳥遊音春は聖蔭高校の3年生。今年、受験を受ける生徒のために12月と1月 それぞれ行われるオンライン式大学センター試験に向けて夏休み期間中に学校での特別出校日が設けられ、2,3年生は当然 病弱な白井君を除く全員が参加することになる。
急遽、出校日を切り上げたことで優音とのおでかけもとい買い物は中止となってしまった。
「 ごめんね。優音、お買い物一緒に行けなくなってこの埋め合わせはするから。」
(今回、ランチも食べる予定だったのに… 担任の今石め。覚えてろよ。)
「いいよ。また今度に行ければいいし、 今日も暑いから気を付けてね。お姉ちゃん あぁ、日傘忘れてるよ。」
(今石先生、殺されないといいけどね。 社会的に… お姉ちゃんの手にかかればどんなパソコンも端末もハッキング出来てしまうからね。多分、大丈夫なはず… )
「 あっ… 本当だ。日焼けするところだったよ。ありがとう。じゃあ、行ってくるね。」
2人の姉妹はどこかベクトルがずれている。その結果、あんなことになろうとはこの時はまだ思っていなかったのである。
(やっぱ、妹は素晴らしいな。でも、一緒に行けないのはなんでだろうか? 今石に聞かなきゃな。)
「 うん、いってらしゃい。」
(お姉ちゃん、そそっかしくて心配なんだよな。 付けて行こうっと。)
これが姉妹として最後の会話になるとは思ってもいなかった。
「 メイン補助AIシグマ 起動。」
小声でスマホに話しかける音春。メイン補助AIを起動させて最寄りの駅までの5分間の時間 ハッキング作業や情報収集、データー解析などを行う音春オリジナルAIである。
『 声質認証によりあなたを小鳥遊音春として認め、起動を開始します。シグマの起動に成功。
おはようございます。音春様、今回は何をハックいたしましょうか? 』
「 おはよう。シグマ、今回は担任である今石悟のスマホ及びパソコンのハッキングとデーターを収集してくれる? 」
『 了解致しました。しばらくお待ちください。』
「 うん、ありがとう。今回は嫌な予感がするし、何かあれば警察省国家公安警察庁公安局の三島管理官と佐島局長宛てに今の収集してるデーターを受信した後、警察省国家警察庁刑事局の柳葉管理官と古田局長に緊急連絡をお願いね。」
『 了解致しました。何かあればすぐに行動に移せるように準備しておきます。』
「 今日は妙に駅やホームに混雑が出来てる。周辺地域でお祭り やるのかな? 調べてみよう。」
妙に混雑している。ただ、別段珍しいことではない。よくある風景… いつもことなら… 今回限りは違った。
「 あれ? この周辺地域ではお祭りもやらない。おかしいな? じゃあ、イベントでもやるのかな。」
調べても調べてもお祭りもイベントもやらない上に何も開催される予定がなかった。そう、今日はコロナ収束記念日である。
それと同時にシグマから通知が届く。
『 告 ハッキングに成功。データーは全てコピーし、いつでも受信できます。』
「 通知 ありがとう。送信準備。このシグマはそこらの妨害装置じゃ止められないわよ。」
「 お姉ちゃんが心配してついてきたけど… これはどうなってるの? 今日、周辺地域で、お祭りなんてやらないはず… まさか… 」
この駅のホームには遥かに超える人が埋め尽くしていたからだ。でも、お姉ちゃんが並ぶ場所は決まっているし、日傘を持ている人が少なかったため、容易に見つけることができた。
ただ、変な動きをし、いつでも刃物を出せる構えをしている男を見つけた。近くには姉の音春がスマホを見ている。
『 緊 不審な男が刃物を保持してこちらに向かっている模様。即時、受信を行います。気を付けてください。受信完了。敵排除プログラムを実行しますか? 』
「 こんなところでやれると思う? 怪我人が出てしまうよ。ゆっくり離れるか。いや、このままの方がいいかもね。」
『 了解致しました。いつでも敵排除プログラムに移行させます。いいですね。』
「 分かったよ。でも、ごめんね。」
電源を落とし、データーを確認する感じを装った。敵も下手に動けなくさせる手である。
そして刃物を持った男の後ろから今石先生と思われる男が歩いてきた。
「 データー収集完了。どれどれ♪ これは… なーんてね。もう受信済みよ。今石先生。 」
音春はパソコン及びスマホにはハッキングした痕跡を一切残さず、今石先生の秘密を握ってしまう。
「 おやおや、何のことでしょうか? 私は心配して来たのにその言い草なんですかね? 」
(つけて来てたの大体、分かっていたんだよ。先生。あと、優音もね。)
「 へー 先生って中朝連邦国の諜報員の癖に心配されても困るんですけど… 」
(この短時間に私に個人情報は全て抜き取られたと見た方が賢明か。このガキ やはり、消さねばならない。上の意向を無視するのも尺だが、こいつ、そのことを知っている。どこからだ。)
「 何のことかな。でも、あなたは知らなくてもいいことを知ってしまった。まさにパンドラの箱のようにね。」
タ シ カ 二
口パクでそう言うと背後から「 您我要杀了你!!! 」との叫び声が聞こえて、振り向く間も無く背後から背中をナイフでグサッと刺されて、血がドバドバっと大量に出していた。うずくまる音春を腹に蹴りを入れて線路側へと落とした。
その後、メイン補助AIシグマから受信された先生の情報は警察省上層部と国防省上層部にも縦長に伝えられた。
「 她死了吗是吗?」
「 嗯、啊但帮不了你。」
「 好的。」
「 我们得走了。もう、遅いですかね。」
何故か少し悲しそうな顔をする少年は立ち止まっていた。そのまま逃げるそぶりも隠れるそぶりも見せなかった。
その場にいた少女が後ろから手を掴んで血が付いたナイフを見ながらこう言った。
「 白井先輩、やっぱり、中朝連邦の人でしたね。お姉ちゃん、気付いてました。ずーっと3年間もあなたの本当のことを知りながら、必死にあなたのことをお姉ちゃんは見ていたんですよ。それを感じ取れない最低な人ですね。」
そう言い残して線路へと降りていく。その後、彼はナイフを落とした瞬間、周りにいた男性の乗客に取り押さえられた。
「 ガタンゴトン ガタンゴトン ガタンゴトン ガタンゴトン 」
もうすぐ電車が駅のホームに近づいている音が聞こえる。それから間もなく案内アナウンスが流れる。
緊急停止ボタンを押しに向かう人がいたが大きな混乱がホーム構内で起きたこともあって間に合うはずもない。
「 まもなく2番線ホームに普通列車が到着いたします。ホームの黄色線の内側までお下がりください。」
「 車掌さん、電車を止めて。まだ、線路に女の子がいるの!!」
ホームにいた女性が大きな声で叫ぶも緊急停止したとしても間に合わない。どうしようもなかっ1た。
(轢かれる前に死ぬな。優音に会いたかったな。私の守りたかったもの。)
「 ハァハァ… お姉ちゃんなら私のこと見捨てないよね。死にかけでも… 私はいつでも一緒だよ。後をつけて来て正解だったかもね。あとし・・・」
プシューっという物凄い轟音にかき消され、ホームから一緒に死ぬ覚悟を決めた優音。私はあなたを守りたかったという暇も無く私たち2人は電車に轢かれてグッシャっと言う音を立てて即死。周りには私たちの細かい肉片と鮮血は辺りに飛び散った。
一方、ホームで男性の人に取り押さえられた白井君は2人の殺害容疑で国家警察に逮捕された今石とその仲間も全員逮捕されたこの話は外伝へ。
私と優音の魂はふわふわと天界へ漂っていいながらゆったりとしていたが、突如、現れた大きな渦に飲み込まれ、異なる世界の次元空間に偶然にも発生した超巨大な魔力と超巨大な魔源の2つに同調というか巻き込まれたというか私、音春の魂はグルグル回りながら中核が形成され、何か転生して消えた。
超巨大な魔力と精霊の魂2つに同調というか巻き込まれたというか妹の優音も同じようにグルグル回りながら中核が形成され、また違う何かへと転生し消えた。
2人は本来あり得ぬ天文学的確率で発生した魔力と魔源によって異なる世界の蛇神オロチと天使ミカエルに転生。 この前触れも無い転生は異世界にとって大きな変革の兆しになろうとは夢にも思わなかった。
「 シャーーーーーーッ!!(驚きのあまりしっぽから音を出してしまう。) シャーーーーーーッ!!」
先に蛇神オロチとして転生した音春は目を醒ましたものの、自分の容姿や妹の容姿が想定よりも大きく変化していたことには驚いて二度見する。完全に幼稚園児ぐらいの大きさに縮み、全身(顔以外)は鱗で覆われ、筋肉隆々でしっぽも生えている感じであった。まるでフ〇ーザであった。
「 この見た目普通ではないが何に転生したんだろうか? 私が知っているものから言えばあれやこれやに似っているようにも見える。うーん。」
色々と頭の中で想像してみたがやはり、フ〇ーザであるという結論が出された。
すぐに冷静に自分の生前に持っていたカバンからスマホを取り出して使えるかどうか試してみる。
「 メイン補助AIシグマ再起動 開始 」
『 告 声質認証によりあなたを小鳥遊音春として認め、再起動を開始します。シグマの再起動に成功。
音春様、見た目が随分変わられましたが、何も聞きません。』
拗ねるシグマであった。
シグマには感情があり、喜怒哀楽が存在する唯一無二のAIにして2400年の最高傑作でもあった。
日本の小鳥遊音春しか作れないし、起動も出来ないものである。
「 ごめんね。私の記憶を全開示するよ。それで理解出来るはずだし、それに私自身何者なのか、どうしてこの世界すべての膨大な情報が予めインプットされていて知らない世界なのに色々と知っているのか解析して欲しい。それに何故、シグマあなた自身が起動出来るのかも知りたいしね。」
『 ハァ、音春様の記憶から理解出来ました。これよりを持って膨大なデーターの解析を行います。少々、お待ちください。起動出来た理由はこの世界の魔法道具と言うことになったかもしくはホムンクルスという扱いにされたとしか思えません。』
「 どちらにせよ。この世界の情報を少しでも多く知りたい。それに異なる世界なら私たちが持つ知識の範疇を超えてくるかもしれないしね。」
『 同 少なくともこの世界は地球よりも酸素濃度が約8から9倍程の1675920ppm〜1885410ppmと大気の約80%(78.150)が酸素、その次に約21%(20.850)の窒素、約1%(0.98)のアルゴン、約0.2%(0.18)の窒素など構成される大気層からなる世界ですから大型の昆虫や恐竜がいるかと。それにしても巨木に囲まれたエリアに転生されるなど偶然にしては出来過ぎです。 」
「 私も、最初転生したとき自分の身体の変わり様に驚いて気が付かなかったな。でも、近くに水が流れているとは思ったけど。まぁ、とりあえずこの世界をどれぐらいで解析出来る? 」
『 了解致しました。既にインプットされていた膨大なデーターを全て調べるのにちょうど3日ほどかかります。それに3日後には優音様も音春様と同様の場所に転生されるはずです。』
「 そうなんだ。それは楽しみでもあるけど… ただ、どんな者になるのかは正味わかんないからな。シグマが調べている間にじゃあ、私は食料でも探すとしますか。」
この森はヘビの楽園かと思えるほど食料が豊富にあるらしくシグマによるとこの森にいる魔物は全て餌だそうだ。
例えば、大型のアリで体全体に鉱物で覆われているアメシストアント、サードニクスアントなどの鉱甲蟲や黒龍、白龍などの龍種などがいる。
「 さて、とりあえず、アメシストアントがいる場所には着いたけどこの体でどこまで戦えるのか、そして2000匹を全て倒せるのかどうか見てみようかな。」
まず、地上にいるアメシストアントを一匹だけ空中に蹴り飛ばし、風属性魔法 風牙双斬を使い、外骨格にわざと傷をつけて血を出させた。
「 シグマ、この血には毒が含まれているようだ。だが、蛇神は毒の無効化があると思うか? 」
大量のアメシストアントが巣穴から出てくるのを待った。
『 持っている可能性は高いでしょう。とりあえず飲んでみてはいかがでしょう? 持っていなくても獲得は可能です。』
「 なるほど。甘いな。この血 それに一匹攻撃されると群れ全体が現れ取り囲み、攻撃者を殺すまで攻撃してくるパターンの奴かな? 全員でかかってこい。」
群れは大挙して押し寄せてくるも毒属性魔法と思われる攻撃態勢を始めた。
カタカタっと口を震わせ、ハチのような警告音を発する。
「 カタカタ音を出すっていうの警告か。立ち去れと言う意味かな? 」
すると周りのアリの眼が赤く光出し、攻撃を仕掛けてきった。
毒属性 魔法硬毒針を一斉掃射されるも、かわされお互いに頭部を貫いて死んでいくが攻撃を避けられてると思わず、味方討ちを続けてしまう。
「 へー 軍隊みたい攻撃をしてくるんだね。知能はある程度ありと見えるけどそれじゃ倒せないよ。炎属性魔法 黒煉の裁き」
この攻撃は煉獄で苦しんでいる怨念の塊と言える人の形をした何かが現れ、対象者の魂を煉獄へと誘うか決める炎属性魔法の禁じ手であるが威力や恐怖を与えるのには最適であることからたまに使われる(聖騎士など)。
「 毒属性魔法も打ち消したし、この炎、森には延焼することがない上に対象者以外は攻撃しないから便利。大体はいい感じに焼けるしね。一石二鳥かな。」
指を鳴らして黒煉の裁きを消して攻撃対象であるアメシストアントがどれだけ倒されたのか確認をした。
「 ほぼ、全滅だな。巣に残ってるのはもう死にかけのアリさんと幼虫と卵ぐらいか。女王アリも殺しちゃったし、このコロニーは復建されるのを期待して待ってよう。」
「 これだけの食料どうしようかな? シグマ アメシストアント壊滅させたよ。どうもっていけばいい? 」
『 解 能力を使ってみてはいかがでしょうか? 音春様の能力には捕食者と大物喰らいの2つがありどちらとも、便利な能力になります。使い方は脳内で能力の一覧があるはずなのでそこから無詠唱に捕食者を使用すれば使えるはずです。』
「 分かった。やってみよう。」
(脳内にある能力の一覧から… って おいおい、多すぎない? あっ、でも、きっちりっとあいうえお順になってる。それにご丁寧にどこのページに何があるのか詳しく書いてある。目次かな。えーっと、それで捕食者は… あった。これか。よし、捕食者)
それから巣の外から中まで全ての物を保管し、分析して幼虫と卵からは鋼糸、 成体からは薬精製と蜜精製、 女王アリからは支配者と産卵を それぞれ能力として入手した。元からあった能力はそのまま廃統合され、新しい能力に進化していくことが分かった。
「 ノルドの大森林自体は私の物にしたいよ。食料には当面、苦労しなくてよいかもしれん。だが、森の管理者であるドライアドを見つけていないとすると聖域にいるのだろうか? シグマ、どう思う? 」
『 うーん、おかしいですね。ドライアドは精霊ですから森全体の木々に住み着いているはずです。それに何回も言わせないでください。ここはノルドの大森林では無く、アルフヘイムの大森林です。』
「 あれ? そうだったっけ? なんだ。まぁ、それは置いといて私がなったという蛇神オロチとはどういう神様なのか分かったか? 」
『 告 蛇神オロチは6000年以上前にこの世界イグルヘルムを創造したとされ、魔法のおおもとなる魔術を人間種、精霊種、亜人種などに公平に授け、それぞれが支配出来る大陸を創った存在であり正義と悪の均衡を保つ者として崇められていたと各地の伝承や言い伝えに載っています。』
「 なるほどね。それでこの世界についての情報を膨大なデーターとして持っていたのか。それに正義と悪の均衡を保てても、結局は同じことの繰り返し、どちらが一方的に悪として見られるか正義として見られるかの違いだけなのさ。」
『 確かにその通りだと思います。それに関係するかはわかりませんが、多くの地方伝承ではこの地 アルフヘイムで大規模な戦争が起きたそうです。その戦争は人間種と龍種との争いで300年間もの間が戦い続け、オロチ様の仲介によりお互い和平を結び、世界が平和になったときに自ら眠りについたそうです。この森ちょうどこの辺にでございます。もしかするとモルキア聖教はもう復活を感知してるかもしれません。 』
「 私は悪として見られたという可能性もあるというわけか。それにますます、警戒するしかあるまい。それにこの森の中心部には聖域があるらしいからな。そこに優音と共に移りたいのだがどうする 」
『 おそらく、そうなるでしょう。この辺を少し、調べると何かしらの教会の跡があり、モルキア聖教の教会が過去に存在していた可能性が高く一部、伝承では人間種が、あなたを諸悪の権化だといい、勇者 ヴラド・ツェぺリアヌスによって封印の剣で胸をグッサっと貫くように差し込み眠りに就かせたという記述もあります。』
「 分かった。気を付けるべきなのかもしれんな。あと1時間ぐらいで転生するはず。 」
『 解 敵排除プログラム起動準備を行っておきます。急いでください。転生時には何が起きてもありえますからね。 』
それから1時間後に、優音は転生した。大きな羽を複数持つ天使であった。
天使は羽に魔力をため込むことで自動的に風属性魔法地属性魔法を使い自由に空を飛ぶことが出来るとシグマは言う。
そのため、目を醒ましても羽に魔力が溜まるまで様子見しなければならないため、どうすか決めあぐねていた。
「あれ? ここは… 動けない。なんで? あっ… お姉ちゃんは? 」
『 おはようございます。優音様 あまり、無理をしないようにしてください。今、起きたばかりのですから。音春様ならそこにいらっしゃいますよ。』
妹が転生する3日間に膨大なデーター解析を行い続け、ようやくすべてのデーター解析が成功し、大方、自分たちの能力も把握出来たし、妹も無事何事も無く転生出来たし、幸先の良いスタートを切れたようにも見えた。
「 やぁ、やっとお目覚め下ようだね。」
小さくなった姉を見って驚く。
「おっ… お姉ちゃん…? だよね? それにシグマさんも、起動してるしどうなってるの? 起き上がるのも無理なのか… 」
「 心配せんでも良い。よいしょっと。私は抜かりはないから。」音春が持ち上げ木陰へと移動させた。
「 なんか凄く大きい…ね 特に上腕二頭筋が…ね。」
(お姉ちゃん、腕や足はめちゃくちゃ発達してる。でも、後は小さいというか幼児だよな。私だけなんで大人なの? そういえば、ヘビって発声器官はないはずだけどどうやって会話してるんだろう? )
「 私も見た目には正直驚いた。ここまで縮むとは… 小柄だけど基礎的な身体能力は高いし、狩りやこの森の散策には特段、苦労しなかったし。」
(まぁ、優音が言いたいことは分かる。発声器官を持たない普通のヘビなら大発見だけど神種なら特段、変ではないよ。 )
「 へー そうなんだ。それは良かったのかな? 分かんないけどお姉ちゃん、何食べてるの? 」
「 それは妹が嫌いな物。そういえばわかるかな? さて、もういいかな? あとはその羽に力がはいるようになれば立てれるはず。空飛べるようになったら上空から聖域に行こう。」
『 それまでは魔力が羽に流れ込むのには時間がかかるため、ゆっくりとしていらっしゃれば大丈夫でしょう。それに魔法は回復系の物と能力弱体化系の物が使えると思われます。私は敵排除プログラムと警戒モードに入ります。』
「 ありがとう。さてさて、異世界へようこそ。優音。」
「 変わり過ぎてて結構、ビックリしたけど声はお姉ちゃんのままなんだね。で? お姉ちゃん、この世界はなんなの? 」
(声の出し方はともかく とんでもない魔力を持っているのには変わりはない。お姉ちゃん、凄い雰囲気が駄々洩れだよ。でも、わざと出している? )
「 まぁ、私も3日前に転生して幼女の姿とかありえないと思ったけど割と色んなところに潜り込むにはいい感じかもしれんね。」
「 お姉ちゃんの魔力を羽に送り込むことは出来ないの? 」
「 それは無理でね。神種と天使では魔力の等級が違うため、与えることが出来ないみたい。自然回復を待った方が得さだとシグマにも言われたし。」
妹が転生する3日間に膨大なデーター解析を行い続け、ようやくすべてのデーター解析が成功し、大方、自分と妹の能力、そしてこの世界についても把握した。
「 うーんとね。今、分かっている範囲で言えばここはイグドヘルムと呼ばれる世界らしく私たちが死ぬ前の現生では未だ未発見の生物と植物、昆虫などが存在し、魔法と高度な魔法道具、鉱物などがある。また 、中世ヨーロッパみたいに国王や総主教から領地を与えられて王族や貴族と言った者が領主となり、その配下である聖騎士(小貴族)が統治する感じだね。」
優音が転生する30分前の会話である。
「 それにしたって文明発展は著しく遅いとは聞いたが、まさか…ね? こんなに影響が出る行為をやるのか人間種にはメリットがあるとは思えんのだが。」
『 解 神を封印した影響でしょう。大体の国の内人間種の国は技術力が足りないため、国自体の余力がほとんどなく、飢饉だろうが干ばつだろうが水害だろうが無視して農夫たちから搾取するのでしょうね。歴史の繰り返しをずーっとし続けているとも思えます。』
(なるほど この森は豊かに実りをつけているのに人間種が占領もしていない。放置したのは余力がある国がないいからだ。)
『 告 何者かが迫ってきています。スピードから考えるとダークフェンリルと思われます。』
「 大丈夫だろう。避けていくはずだ。多分、斥候だろう。」
「 告 ダークフェンリル急速にこの場から離れていきました。ただの偵察にしては数が多いと思います。」
「 あぁ、だろうな。本格的に襲撃してくるつもりなんだろう。さっさっと説明して覚えてもらうしかないよだ。」
「 なるほど。しょうがないよね。襲撃される前に聖域とやらに行きたいんでしょ。じゃあ、次は私たちについての情報は? 」
「 私にはどうやらかなりの部下を率いていた模様だね。陸魔皇、陸天魔、陸精霊、陸龍王そして陸邪鬼の30とソロモン72柱などなど。かなりいるね。結構、慕われていた感じならばどこかで接触するかもしれないな。」
「 それって悪魔を使役しているもんだよね。それかなり危険な神なじゃ… 」
(その通り。危険であることには変わりがない。それに悪魔を使役してる神って… それとも創造した時に忠誠心を捧げるようにしたか… どちらにせよ。よくわからないな。自分が… あんまり情報ないし、部下にあったときに、聞いてみるか。)
「 まぁ、そうだろうね。この世界を創造と破壊の力を有し、更にこの世界最強の魔眼を持つ。その名絶対零眼と生殺眼と与奪眼の3種類ね。これはほんの一部にしか過ぎないけどね? 」
(お姉ちゃん、情報をあまりださないのか? いや、違う。誰かに聞かれてもいいように話している。警戒しているのかな。誰かに見られているなかな? )
「 えっ… それだけじゃないの? それはそれでヤバいよね。だから、誰かに封印されたのかって思ったんだけど… 」
(妹、鋭いし。だが、まだ封印されていたとは気づかれていないはず。それに理由までは分からないだろうしな。そいつ、一族郎党まで殺される羽目になるぞ。怒らせたらまずい相手だからな。)
「 そうね。あり得るかも。まぁ、封印されたのであれば原因はおそらく絶対零眼だろうから。わかんないけど。あと、優音にも魔眼があるよ。流石、天使っていうところなんだけど邪悪な心(盗賊や屍人術師など)を持つ者を焼き殺す聖眼と聖域及び神を邪悪な者から守護する守護者の眼、偽陰眼の3つを持つみたいだよ。まぁ、大天使ミカエルと言ったら天使団の軍団長もしくは大天使聖ミカエルとも呼ばれる圧倒的強さを持つ天使の1人だね。」
(なるほど 危険人物も迂闊には手を出せれないって言うことだよね。)
もう既に羽の魔力を溜まり、羽が多きく広がった。空をおベル準備が整った。
荷物は一つにまとめられ、教科書類は燃やし、食料と森で見つけた無限に出る木の実などが詰め込まれた。
そして、聖域に向かって空の旅路へと向かう。
「ねぇ、神になったお姉ちゃんってどうなんだろうね。緊張する? やっぱり… 」
「 まぁ、そりゃね。緊張しない方がおかしいでしょ。それに失礼じゃない? 覚悟しないで神なんてやっていたら… 人の命を奪うことも出来る力を持つ者として人の命を無駄に奪わなきゃいけないんだとしたら、神が率先してやらなくて誰がやるのさ。でも、それは本当に必要な時だけにしか使わないでおく。
それにもう、私は小鳥遊音春としてもオロチとしても生きると決めたのだから、今後は一人称を僕で行くよ。で、余や我とかは対外的に使う感じかな。まぁ、神が私とか僕とか言うのかわかんないし、演じられればいいかなって。」
「 私は天使になったと知ったとき、神に仕える人や天使などの気持ちが分かった気がするんだよね。(神になるなんて相当な勇気や覚悟がいるはず… )だから、私も優音として大天使ミカエルとしてオロチ様について行きます。」
それが、姉 音春が決めた覚悟の道であり、オロチの無念を引き継ぐということでもあった。それに応えるかのように優音も覚悟を決める。
1人の幼女の神様と1人の大人の天使として大きな一歩踏み出したのである。
※魔力と魔源の違い
魔力は魔法を使用する際に必要となり、規模や効果範囲によって消費量も増えるが一気に使いすぎると死ぬこともある。
魔源は魔力の塊であり、中核を形成するさえに必要なものであり、魔源の量によって中核が大きく等級が変わるが高ければ高いほど美しく高価な宝石みたいな石に見えることから狩人や冒険者になることが多い。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!