大統領候補であるミハエル・デュシャン奪還の命を受け、敵地『プロイセン』にて潜伏を開始したルナン・クレール一行であったが、奪還作戦を開始したと同時に、アトランティア連邦ゲルダ・ウル・ヴァルデスによる侵略が開始された。さらに奪還指令は策謀によって暗殺へと変更され、一行全員が命を狙われる事となってしまった。
危急の事態をなんとか乗り切ったルナンは軌道要塞の北限に居をかまえるリアクターギルドの一族をたよる事にする。ただ、千名近い戦火を逃れた難民を引き連れて。家を追われさ迷う人々を救うべく、徒手空拳のルナンはここからヴァルデス軍勢への反攻を開始する事となるのであった。
果たしてルナンは多くの難民とデュシャン候補の脱出を成功させる事ができるのか?また、一行から離れ軌道要塞を脱出せんとする、彼女の里子十六歳の若き女武者キサラギ・スズヤの運命は?
人類の新たな版図となった火星を舞台に繰り広げられるSF群像劇。『火星のジャンヌ・ダルク ルナン・クレール伝 軍神の星編』完結です。