プロローグ
ダニアと呼ばれる星、唯一の陸地であるユーストリス超大陸には世界樹の伝説があった。
聖地を守る山脈に囲まれた世界の中心に、天を貫き地を繋ぐ世界樹があると。
かつて神々と人間の戦いによって大地は割れ、世界が切り裂かれた時、礎の女神ダナートニアが大地の裂け目へと身を投じた。
その身は輝く緋色の大樹と化し、砕ける世界を繋ぎ止めたのだ。
しかし女神ダナートニアがその身を犠牲にしても、戦いは収まらなかった。
争う愚かさを知った神々は姿を消したが、蒙昧な人間だけが戦いを続けた。皮肉にも、世界樹がもたらす奇跡の資源「重銀」を求めて……。
女神は嘆き、人間もろともこの世の全てを凍てつかせ、氷の元に全生命を眠らせた。
そして、女神は言った。
「今、幼い時代は氷によって滅びました。
再び始まる時代、星を食い尽くす者達が大地に溢れるならば、
我が子ら、神域の守護者らによりて、再び世界は滅びるでしょう」
と……。
幾万の年月が流れ、人は再び文明と繁栄を取り戻した。
だが、愚暗な人類はふたたび重銀を求めて戦争を招いてしまう。
北の強国エンブラ帝国は、新たな重銀の産出地アウルカ国に武力侵攻を開始。
戦狂いの王族・戦姫ヒルド率いるエンブラ軍は、エンブラの最も近くに位置するゴカ村を突如として強襲する。一方的な殺戮が繰り広げられる中、赤髪の兵士グエン・クロイドはただ一人抗い続けていた。
青い空の下、深い森を切り裂くように伸びた一本の未舗装路。
この道を一台のモービルが砂塵を巻き上げて走っていた。
モービルを運転するのは、赤い髪の男グエン。
彼の腰には黒拵えの刀が吊るされ、車体の振動で揺れる。
纏う青い強化樹脂の全身プロテクターには深い斬撃痕が無数に刻まれている。所々赤く染まっているのは、返り血と自身の血だった。
モービルの2000ccの大型エンジンが唸り、鼓動音が木々の葉を揺らす。
大型バイクであるモービルは、後輪に太いタイヤを履き、前輪は細めのタイヤが二本並ぶ。三輪で三名乗車可能な大型の車体が、通常のバイクとの相違点だ。
砂煙をあげて疾走するモービル、時おり前輪のタイヤの間に拳大の石が挟まるが、タイヤの回転で弾かれフロントフェンダーに激突して激しい音を立てる。
地面には雨水の流れで気まぐれに刻まれた無数の溝。溝は石ころと同様に簡単にバイクを転倒させるが、三輪のモービルは悪路をものともせず走った。
だが、点々と横たわる兵士達の死体は話が違う。
グエンは体を傾け、モービルを右に左にスラロームさせていく。
道に転がる兵士は皆、青い軍服を着ている。青は、グエンが属するアウルカ軍の色だった。黒い軍服、エンブラ兵の死体は一つもない。
「くそ! 誰か生きてるやつはいないのか!」
必死に回避を続けるも、避け切れない死体をモービルが乗り越えていく。
転倒させまいとハンドルを握り、グエンはスロットルを開けた。
精悍な顔立ちに似合う鋭い眼光が涙に濡れる。
歯を食いしばるグエン、頬を伝う涙が走行風に吹き飛ばされて消えていく。
人間の侵入を阻むスクアミナ守護山脈。剣のように切り立った標高5000m級の連峰が屹立し、世界樹を擁する禁足地と人間界を隔て、世界を二分していた。
山脈の麓、人間界側には隆起した白い岩棚が広大な台地となり広がる。
真っ白な台地は今、戦禍を帯び赤く染められていた。
スクアミナ守護山脈の冠雪が太陽に輝き、白刃の如く冷たくそびえる。
上昇気流に乗り空高く舞う雪トビが一羽、空に向かって鳴く。
空を見上げ、悲し気に鳴く雪トビの声に笑顔を見せる少女、戦姫ヒルド・ロインセリカ。真っ白な肌に美しい金髪とサファイアの瞳。非の打ちどころの無い容姿には幼さを残るが、彼女は見た目通りの人間ではなかった。
返り血で染まる黄金の甲冑と白銀のサーベル。
綿毛のように細く軽い金髪には、べっとりと血が着き鎧に張り付いている。
その眼前には、彼女のサーベルで斬殺されたアウルカ兵の死体が見渡す限り地に伏し、無数の血だまりを生んでいた。
彼女は亀裂のような笑みを浮かべ歩くと、うつ伏せに倒れる男の横で足を止めた。
「血潮に染まる風が頬をなでる。存外、心地よいものだ」
男は背と脇腹に深い傷を負っていた。彼は血だまりの中で震え、必死で息を殺すと、目を瞑り神に祈る。
ヒルドは震える男の体で微かに揺れる赤い水面を見て冷ややかに笑う。
「祈りか、絶望か。無力な様は、どちらも同じことよ」
白銀のサーベルを振り下ろす。無情の刃が心臓を貫き、男は小さく呻き絶命する。
「下国の民でも、血は赤いのだな」
サーベルを振るい血を払う戦姫は、再び白い台地に歩を進める。
真っ白な地面に、赤い足跡が続く。
広大な台地に、微かに聞こえるエンジン音。
顔を上げ、ヒルドは2kmほど離れた正面の森を見据える。スクアミナ守護山脈とは真逆にあるその森には、台地へ訪れるための一本道があった。
背後に聳えるスクアミナ守護山脈から雲が流れ、台地の空へ広がりはじめる。
森の一本道から、グエンの運転するモービルが姿を飛び出す。まるで舗装路を走るような高速で台地へ進入し、夥しい数の死体を回避しながら駆け抜けた。
ヒルドは薄ら笑みを浮かべて歩く。
アウルカ兵の死体を蹴り飛ばし、踏み潰して一直線に。
「動かぬ者ならば、蹴散らせばよいものを」
猛スピードで1km、500mとヒルドまでの距離を縮めていくモービル。
見事な運転技術で全開のまま走っていたグエンだが、血だまりにタイヤを取られスリップした。暴れる車体を必死に制御しながら、急ブレーキをかけたまま車体は真横に滑る。
赤いタイヤ痕を残し、モービルはヒルドの約20m手前で停車。
「やっと追い詰めた。カガリの……皆の仇を……!」
モービルから降り、グエンは怒りに震える手で胸ポケットから一束の黒い髪の毛を手に取る。抑えきれない憤怒に揺れる彼の赤い髪は、まるで怒りの炎のようだった。
ヒルドは血に濡れた金髪を掻き上げて冷笑する。
「下国の民共が、数に任せればエンブラ王家に勝てると思ったか」
グエンの遥か後方、森の一本道からトラックが姿を見せる。
トラックは20mほどある砲身を持つ榴弾砲を牽引し、5台のモービルを従えて台地に進入した。
牽引式榴弾砲の一団は台地に入りすぐさま展開、榴弾砲を固定し戦闘準備に入る。
台地への侵入者を一瞥するヒルドだが、約2kmは離れた位置にいる一団を脅威とは見なさなかった。
真っすぐグエンを見たままアウルカ兵の亡骸を蹴り飛ばして歩く。
「千か? 二千か? 何匹死んだ? 貴様が斬った我がエンブラ兵の何十倍だ?」
グエンは髪の房をしまうと、刀を引き抜く。アラベスクにも似た銀炎の装飾を施された黒拵えの刀から、蒼氷の如きクリアブルーの刀身が露わになる。
刀を頭上に掲げて怒気を放つグエン。
「化け物め! 報いを受けろ!」
少女は、サファイア色の目を細めて笑う。
人の熱を感じさせない目つきに、グエンは寒気に襲われ思わず刀を降し身構えた。
降りた刀を合図に、牽引式榴弾砲の砲身が火を噴く。
轟音と共に曲線の軌道を描いて放たれた榴弾が、グエンの遥か頭上を越えてヒルドへ飛来する。
着弾の瞬間、ヒルドは愉悦の笑みを浮かべた。
素早く身を伏せたグエンは、モービルの車体を盾にうずくまり広がる爆風を凌ぐ。
榴弾の衝撃で吹き飛ばされた死体の破片がモービルに当たり弾かれていく。
(遺体を傷つけてすまない……あとで必ず回収するからな皆……)
数秒の祈りを捧げるグエン。その右手でクリアブルーの刀が振動し、甲高い共鳴音を微かに放っていたが、哀悼を捧げる彼は気づかない。
「その剣ならばまだしも、こんな玩具で我が命を断とうとはな」
耳元付近で聞こえた少女の声に、グエンは慌てて刀を手に立ち上がる。
上方から突風。風が着弾点の煙と炎を霧散し、モービルをなぎ倒した。
180cmを越える筋肉質なグエンの体が軽々と飛ばされた。しかし彼は空中で体勢を整えて難なく着地し、目にかかる赤い前髪をかき上げる。
周囲を見渡し警戒するも、彼の赤い瞳に敵影は映らない。
「風か爆発か……? 今の声……それに、あいつはどこへ……?」
彼女がいた場所を注視するグエン。
そこにあるのは、爆風と突風で飛ばされた血だまりの赤い跡。
そして、外れて転がる黄金の鎧、小手、具足のみ。
「……甲冑だけ? どういうことだ?」
グエン、手にした刀が振動していることに気付く。
(何かに反応しているのか?)
ドスンッと後方で重い音がなり、地面から振動が伝わる。
クリアブルーの刀を構えて振り向くグエン。振り向いた先、30mほどの距離を開けた場所に半人半獣の女が背を向け立っていた。
四本の脚と尾をもつ金色の獅子のような体躯から、新雪を思わせる白い肌の女性の上半身が生えている。その一糸纏わぬ人の背には、金色に輝く八枚の翼。
背を向けて羽ばたき飛び上がる人外の姿に、グエンは呆気に取られてしまった。
「金色の……あの化け物女が本物の化け物になりやがったのか……」
赤髪の戦士は、鳴りやまぬ刀が何に反応したのかを直感した。
翼を得た戦姫は2kmある間を、文字通り空を駆け渡る。
神代の獣を顕現する乙女に仇なす愚者を屠るために。
ほどなくして、森の入り口に布陣した部隊に火の手が上がった。
遠雷を背に、燃えるトラックの屋根へ立つ金色の翼獅子となった戦姫。
厚い積乱雲に空は暗み雷鳴が轟く。スクアミナ守護山脈から流れた雲が台地の空を覆い尽くし、殺戮の地から希望を奪うように陽光を遮る。
八枚の翼を広げた翼獅子姫、四本の足で爪を立てて踏ん張り、その右手で燃えるエンジンをトラックから鷲掴みに引き抜く。
車体は激しく揺れ、切り刻まれた運転席からは大量の血液が流れ出す。
荒々しい獣の身に生えた少女は笑みを浮かべ、離れた場所にいるグエンを見つめる。
「礎の女神の剣を持つお前を、最後の一人に選んでやろう」
金色の瞳は、遠くでモービルに乗り込む赤髪の男をはっきりと捉えている。
アサルトライフルを構えた8人の兵士が、トラックを囲み口々に叫ぶ。
「う、動くな! 化け物!」
「上官はどこだ! こ、こんなの撃ってもいいだろ!」
「上官たちは運転席にいたはずだ!」
「トラックよりでけえ……あ、あんな怪物がいるなんて聞いてねえよ!」
トラックの屋根に刺さった自身のサーベルをつまんで引き抜くヒルド。
「この身になっては、サーベルなど小さすぎて握れぬな」
翼獅子姫はサーベルを無造作に投げる。
兵士の足元に突き刺さる白銀のサーベル。
「ひいい!」
後ずさりよろける兵士が、恐怖のあまり思わず発砲する。
銃弾は硬い激突音を立て、広げた金色の翼に直撃した。
不快な衝撃を受け、ヒルドは左手で金髪を掻き上げると、まだ火が残る右手のエンジンを発砲した兵士に投げつける。
「!」
兵士は銃口から目を離すと、声を上げる間もなくエンジンに潰された。
オイルと血が白い地面に滲む。ヒルドは無表情なまま、潰れた兵士を見下す。
「こ、この化け物がー!」
潰れた仲間を目の当たりにした兵士が発砲。
堰を切ったように全員が引き金を引いた。
恐怖にかられた銃弾の雨が降り注ぐ。
庭園を散歩するように、軽やかな足取りでトラックから飛び降りる姫。
直後、トラックの火が燃料タンクに引火し爆発する。
ヒルドはトラックから飛び降りざま、広げた自らの翼から羽根を引き抜き、そのまま金色の羽根を双剣の如く振るう。
瞬く間だった。
鎌で刈られる稲穂のように、兵士たちの体は力なく刃にたわみ両断されていく。
四足獣の爪が地面をえぐり縦横無尽に駆け、構えた銃剣ごと兵士の頭を割ったとき、残る兵士はあと一人になっていた。
燃料とオイル、鉄の匂いが濃い絶望となって充満していく最中、ヒルドはゆうゆうと歩く。鋼鉄製の牽引式榴弾砲の横に立ち、牽引車両ごと砲身を断ち切ると、右手の羽根を地面に突き刺した。
破壊の獣は最後の兵士の前に歩み寄り、真っ赤な舌で唇をなめずる。
絶望の淵に落ちた兵士は、唇が震え目の焦点は合わず、うわずるだけの人形だった。
「おお俺は食い殺されるんだ。そんな死に方嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……」
男の首を掴み、ヒルドは無造作に地面から持ち上げる。
兵士の頸椎は砕けて喉は潰れ、口から濡れた音を漏らして絶命した。
「人の首のほうが、サーベルよりもよほど手に馴染む」
殺戮の場へ迫り来る一台のモービル。
翼獅子姫は期待する男の姿を見つけ、亀裂のような笑みを浮かべた。
ぽつぽつと降り出す雨、あっと言う間にどしゃぶりになる。
雨に打たれながら、仲間の死体を避けてモービルを走らせるグエン。
遠目にだが、巨躯の獣になった少女が兵士を切り裂いているのが見える。
「これ以上殺させてたまるか!」
死体を避けるたびに何度も再加速を繰り返し、後輪が濡れた地面で滑った。その度にすぐさま前輪のタイヤが駆動をはじめ、モービルの車体は安定して直進する。
ヒルドがアウルカ兵の死体を投げつけるのが見えた。
グエンは慌てて頭を下げ体を左に傾け、寸での所で投げつけられた死体を躱す。
「くっ! あの化け物! なんてことしやがる!」
ミラーには後方へ人形のように転がる兵士の死体が映った。
グエンは怒りに任せて左手でハンドルを殴る。
高速走行による風の圧力と音、痛むほどの雨粒に、エンジン音すら掻き消える。そんな中、地鳴りのような乱暴な足音がグエンの耳に届いた。
金色の翼を広げた戦姫が真正面から走り来る。
グエンはハンドル部のスイッチを押し、モービルの速度を固定させた。
翼獅子姫を迎え撃つ覚悟を決めた戦士は、走行中の車体に立ち上がり刀を抜く。
歯を食いしばり、グエンは殺意に溢れる金色の瞳を睨み咆哮をあげた。
「この命に代えても! お前だけは殺す!」
襲い掛かる翼獅子姫に、爆走するモービルが接触する。
「さあ響かせてみよ! 我がエンブラ帝国へ抗う小兵の断末魔を!」
振り下ろされた金色の凶刃、宿命に抗う蒼氷の刃が迎え撃つ。
雨は夜まで続いた。
降り続けた大粒の雨が、血で染まった台地を洗い続けていた。
死屍累々たる惨状で、ひと際大きな影が横たわる。
金の羽根が散らばる血だまりの中に、首のない金色の四足獣。
彼女の横たわる血だまりに流れ込む雨水が、川を目指して流れ赤い筋を描く。
水の流れを追うとそこには、金髪の少女の首が無造作に打ち捨てられていた。
真っ暗な森の中、グエンはモービルを走らせる。
雨で濡れ続け、大量の血を失った冷たい体にはほとんど感覚がない。
胸から背中を貫いたままの羽根を抜く気力も体力もなかった。
「俺は勝った! カガリ! 仇は取った! ……けど」
口から溢れる血が言葉を詰まらせる。
細い森の道、気を抜けば森の木々に激突してしまう。ただでさえ暗闇と雨に遮られて視界が悪い。瀕死の戦士は気力を振り絞り、ぼやけていく視界に抵抗していた。
ライトに映し出されては後方に流れていく木の姿が、踊り狂う亡者のように見え、グエンは現実味を失い続けていった。
「くそったれめ」
横目で木々に悪態をつき、グリップを回してモービルを加速させる。
森にこだまする機械的な鼓動音に、グエンはまだ生きていることを実感した。
「俺は生き残った。けど、この勝利に何の意味があるんだ!」
口からこぼれる血。せき込み、涙を流してグエンは叫ぶ。
「もう誰もいないのに! まだエンブラのやつらは大量にいるのに!」
雲の下を抜け、雨が止む。
急に視界が開けた。
森が突如終わり、緩やかな傾斜で登る道の向こうには夜空が覗く。
傷ついた彼はこの地形に見覚えがあった。
(慟哭の淵……。死者の都があるって、伝説の……鏡面街か……なら、いっそ)
50mほど先で道が終わっている。
呆然とモービルを走らせ続けるグエン。
血に濡れた赤い前髪が風で目に入り我に返った。
「! くそっ! くそっ! 今俺が死んで何になるってんだ!」
頭を振って、ブレーキをかける。だが、レバーもペダルもまるで手ごたえがない。
故障かと前輪のブレーキを覗き込んだグエンは絶句する。
「!」
前輪のプレートを挟むブレーキ部分に、肉片のついた金色の髪の毛が絡みついているではないか。前輪を挟んで摩擦で止めるべきパーツの間に、ぬめる肉片が入り込んだせいでまったくブレーキが利かない。
慟哭の淵まで10mを切った。
血と絶望に染まった男は、大きくため息をついて笑う。
「はっ、高貴な化け物の姫さんが、こんな小細工してくるとはね……熱烈じゃないか」
自暴自棄になった彼は、グリップを全力で回した。
加速し崖を跳ぶモービル、慟哭の淵へ飛び込む。
落下していく中、胸ポケットに入っている一房の髪の毛に触れる。
「誰も守れなかった俺でも……カガリの……皆の所へいけるかなあ……」
暗い淵へ落ちて行くモービル。
闇に落ちていくグエンの目には、美しい星空が映っていた。
『22年後』
若々しい青年姿のまま、緑の丘をモービルで走るグエンの姿があった。
続く
読み終わったら、ポイントを付けましょう!