ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.24

公開日時: 2020年10月7日(水) 08:17
文字数:756

  夕方、女達は早めの夕食。男達にとっては遅い朝食の食事。本当にいつも通りと思われる食事が出て、皆もいつも通りだった。誰かが、新しい人が住むのは一年ぶりだと言った。


  男達は子供の志織と火傷した俺だからか、よそよそしくはない。おばさんやおばあちゃん達は同情と心配の目で見てくれている。男達は、俺がゾンビ捕獲と見張りをする事で俺達がここに住む事に納得はしてるようだった。


  俺はこれなら住んでいけそうだと思った。ゾンビだとバレにくい。それにほとんど独りの時間。ゾンビ摂取も好きな時に出来る。会おうと思えば志織に会える。何よりも志織の安全という一番の願いが叶う。見張りも志織の為の見張りと考えればいい。


  ツトムさんや男達とも時間が経てば距離が短くなるだろう。あまり仲良くはしたくないが。親しくなれば俺がゾンビの身体をバラしても、バレたとしても許してくれるはずだ。


  ゾンビだと分かってしまった時は、自分から仲良くしなかったのは皆を感染させたくないからと言えば納得もしてくれるだろう。ダメなら出て行くだけだ。


  ミズホさんが、今夜位は家に泊まればいいのに。と言うのを聞かず、男達とコンテナハウスを建てに行く。


  道路沿いのフェンスの真向かいの竹やぶを伐り刈りコンテナハウスを置き、周りに竹やぶを敷き詰める。電気も水道も無し。そのうち加えると言ってくれたが、なくても構わなかった。部屋の中には布団と水筒だけ。それさえ俺には必要無い。雨風さえ凌げればいい。

  夜に荷物を取りに行ってやる。とツトムさんは言い男達と戻った。


俺独り。竹やぶの中を風が通る音。それ以外は何も聞こえない。

  平和だ。とりあえずの安心と安全の確保と保障。むしろ、うまくいき過ぎて不安になる位だ。


  小説を書くか荷物を取って来るかを悩む。またすぐ誰かが来るとイヤなので小説を書く事に決めた。


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