ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.118

公開日時: 2021年3月25日(木) 08:29
文字数:669

「凄いというか、本来ならアイツがアメリカ大陸を統率してたはずだ」

「カーリーだったの?」

「カーリーじゃない。いや、なれるのにならなかった。表に出るのを嫌がるタイプだな。今はダビデが狙ってる」

「何が強いの?武術?武器さばき?」

「いや、それも強いがもっと強いヤツがいる。マシンガンを乱射されても志織だけには当たらない。うん。志織には当たらないんだよな」

パルは志織の戦闘を思い出したように、目を瞑って言った。マシンガンの乱射に当たらない。マシンガンの銃口から発射される弾の速度と角度や視線から予測と観察して避ける?

計算的には可能だろうが現実的には不可能だと思う。


時間のスピードが遅く見えてる?時間を止める?空間を曲げたりバリアみたいなモノを持ってる?未来を知る事が出来るのか?どれもあり得ない。

経験から予測するしかない。


カーリーにならない理由は分かる。周りの仲間からも吸収してしまうとかのデメリットがあるのだろう。もし吸収する相手を選別出来るのならエイやカニ、カーリー同士が徒党を組むはずだ。


予想は予想でしかない。全ては憶測。妄想の範疇。


松果体さえ損壊しなければ生きられる。それがポピュレーターの利点。

これから千年も万年も生きてく。今回、逃げても些細な事だと思い始めてる。これからの一年なんて、文字通り、あっという間になるだろう。


平和な時代が続けば志織の方が先に消滅するかもしれない。その時は俺も消滅すればいいか。とも思う。AZがそれを許すかは分からない。自滅行為の対策は考えてるかもしれない。


少なくとも未来はAZの想定された世界の中で進んでる。

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