ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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小説.18

公開日時: 2020年9月30日(水) 21:10
文字数:748

  中学校だった。校門のシャッターは鍵がかかってて、飛び越えた校庭にゾンビが十体かもう少し居た。教室の一つに小さな灯りが見えた。人間が居るのか?発光してる物体は見当たらない。


  校舎はどこも閉ざされていて一階のガラスというガラスはベニヤ板が貼られてた。学校裏の校庭にゾンビは居た。昼間なら、中に人間が居るかどうかは分かる。ゾンビが校舎の壁やシャッターに張りつくはず。夜は徘徊してるだけなので分からない。


  校舎に入るべきか思案したが、結局辞める事にした。色々考える。

  もし子供が居たら助けるべきなのか。

  正直足手まといになる。

  でも助けないのは人間としてそれはどうなのか?

  助けたとしても共倒れになる可能性が高い。それに志織を守るだけで精一杯。


  答えはもう出ていた。


  見なかった事にしよう。だ。


  要するに見捨てるのだ。考えた瞬時に決めていた。ただ罪悪感が消えない。消す為にどうしたらいいか考えている。


  出来る事は、少しでも多くの食料や必需品を持ってってやる事。若干、離れたスーパーでカートにたくさんの食料を詰め、校門のシャッターの鍵を壊し開けて、校舎の近くに置いた。それを二往復。シャッターを閉める前に、車を二台グラウンドに押し入れる。校門のシャッターを閉じ、バリケード代わりに車を置いた。

  罪悪感は消えはしないが、だいぶ薄まった。やれる事はしたのだ。今の俺にはこれしか出来ない。仕方ないんだ。と。


  デパートに戻る。頭をお腹に突っ込んだゾンビを見たが、まだ見た目は変わっていない。腐りつつある死体とゾンビが出す吐瀉物を見ると危ないと思った。病原菌のど真ん中で生活するのは志織は無理だろう。


  車での移動は無理。バイク?自転車?道路は吐瀉物とバラバラの死体でドロドロだ。三輪バギーはどこに売ってるのだろうか?


  次のやるべき事が決まった。

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