ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.83

公開日時: 2021年2月2日(火) 07:20
文字数:544

  志織の小説はそこで終わっていた。続きを読みたい。と言うと、分かった。と返事。

  その間、俺は俺のやるべき事をやる。


  小説を書く気は失せた。一応の締めの文章を書いて、また書きたくなったら書くつもりだ。その代わり身体を動かす。ほとんどの時間を木を登ったり、飛び移ってみたり。運動に時間を費やす。体操の選手の真似事をする。


  やればやるほど慣れていく。手袋もどんどん破けていく。凍ったゾンビを食い身体を動かす。

  お手本というか見本が欲しい。無い物ねだりが多くなる。


  片手だけで木から木へ飛び移る事も出来た。落ちても大丈夫になった。

コツは身体のバランスと体重と衝撃の分散。


  高い木から落ちる練習。落ちる途中、軽く木を掴む。肩や関節が壊れない程度に離し落ちるスピードを弱める。落ちる瞬間は木を蹴り横に転がり衝撃の分散をする。


小説ははるかに志織の方が面白かった。志織には勝てない。悔しかった。だから俺に出来るのは身体能力を最大限に活かす。人間離れした身体を乗りこなす。


  それならきっと志織に負けない。

  二十日くらいか。一ヶ月経った。外で運動をしてた時に志織が全て書き終わったから。と携帯電話を俺に渡してきた。


「質問は全部読み終わってからにしてね」

  と言って志織は言い部屋へ戻った。

  俺はホテルのロビーのイスに座り読み始めた。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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