ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.77

公開日時: 2021年1月20日(水) 07:40
文字数:785

  志織が起き出し移動。冬の間の拠点探し。結局、地図で二、三日歩けば着く距離の温泉街に。そこから更に数時間山道を行った秘湯の場所。そこを冬の拠点に決める。雪さえ降れば人間は通れなくなるだろう。

  温泉は寒さ対策と飲み水の確保で冬篭りには最適。


  温泉街は人間がいた形跡があり、ひょっとすると今も人間が居るかもしれなかったが、温泉街から秘湯への道は道でなくなっていた。誰も通っていないと一安心する。

  ゾンビの数もそこそこ居て、町から志織についてくるゾンビの数も多かった。どの建物も周りがツタでビッシリと覆われている。三年も人の気が無いとこれほどまでに朽ちてしまうのか。と思った位だ。


  駐在所。取り調べ室が質素だが小さな窓に窓格子があり、ドアも頑丈。

鍵もあるが、中からではなく外から鍵がかかるドアノブ。

暗くなるまで物色し、夜に志織をそこに匿うべきか考える。イマイチ。

他にこれといった拠点も見つからない。


結局、道なき道の秘湯を目指す。

かなり四苦八苦し、秘湯の場所に辿り着く。途中、倒れた大木が数本ありゾンビは足止め。

ゾンビが来るまでに、小さな小屋の修復をする。

  露天風呂は熱くなっていて入れない。水をひたすら出しっぱなしにしてようやく綺麗な水になった。とりあえず冬は大丈夫そうだ。後は志織の食料だけ。


   ウサギを見かけたと志織が言う。ポケットに小石を入れておく。細い小川があり、小さな魚がいた。以前読んだ本の中の魚獲りの罠を作ろうと思う。

やる事は多く練習もしたいから、今回の冬はあっと言う間に過ぎるだろう。


  数日かけての拠点作り。布団が使い物にならなくて、何度か温泉街まで往復。人間が居るが攻撃的ではなく安心。摂取するゾンビの数も多い位。

秘湯への道の大木はそのままにした。


  志織が小説書いたよ。と笑いながら携帯電話をチラチラ見せた。俺は荷物整理を辞めて、携帯電話を貸してもらう。


  やっと読ませてもらえる。


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