ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
sadojam

現実.91

公開日時: 2021年2月25日(木) 08:35
文字数:667

「俺達がシェーリーになれば大丈夫」

トニが言う。

「何の武器を使うの?」

俺の質問に、パペットのトニが腕の服をまくる。腕の膝から手の甲に鉄の甲冑みたいなのを着けてあった。

「それとこれ」

とゴツいメリケンサックを見せる。


「基本は斬ってきたり殴られるのをコイツで防いで殴る」

パペットのトニはシャツを降ろした。当たり前だがトニはきちんと考えている。

「まぁヒロもそのうち強くなるよ。ヒロなら別に飛び道具でもいいんだぜ。パーティクル回収出来ないんだからな」

トニのフォロー。

「俺の武器は何がいいかな?」

俺は志織に聞く。

「戦闘には向かない。でも慌てずに冷静に判断してるわ」

辛辣な意見だが志織は正しい。

「でも襲われたらどうする?」

「襲われても大丈夫なようにパーティを組むのよ」


今まで人間やゾンビから身を守ってきた。これからは他のポピュレーター達から身を守るようになる。

果たして生き延びれるのか?


トニが慰める。

「いざとなりゃあ逃げ回るんだよ。駆け足はヒロの方が早いしな」


「エイはどうやって?」

俺は思い付いた疑問を言う。

「なんだ。エイを知ってるのかよ。カーリーは戦わずともパーティクルを奪えるのさ」

「どうやって?」

「自分のパーティクルで相手のパーティクルを覆い操るのさ。自分のパーティクルをすげー大量に使うけどな」


「なぁ、俺の中にパーティクル大量に入らないかな?」

「無理」

志織がキツく言う。

「なんだよ。その話」

トニが話に食いつく。

「あれはあくまでも私の想像。現実には無理。とにかく早くパルと合流しましょう」

志織がムキになる。話題を逸らす。つまり可能性はあるのだ。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート