ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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志織の小説.7

公開日時: 2021年2月3日(水) 08:30
文字数:769

  ヒロが危機感を感じ身体を鍛え始めた。冬の間、ヒロは無我夢中で毎日、身体を動かしている。私は温泉と小説を書き続けた。

  やる事があるせいか冬はあっと言う間に過ぎていった。その間、人間はもちろんゾンビも来ない。静かで平穏な毎日。


  私はそうでもないが、他のポピュレーターはどんどん回収し、パーティクルも増えてるはず。もっとポピュレーター達の行動がより目立つようになる。

  私は今回の審判は不参加するつもりだった。


ヒロの身体の使い方が上手くなっていく。私のパーティクルを分けてあげたくもなるが、ヒロがそれに耐えられるかが分からない。

  壊れると意味がない。それに壊したくもない。ヒロは私の半身。彼とは一つだけど一つにしたくない。


  トニと合流するか、ダビに頼むか悩みながら、ヒロに行き先を決めてもらう。行き先は関西。暖かい方。とヒロが決めた。


  トニと合流する。トニは私とヒロの関係を知り最初は驚いたがすぐに楽しみ始めた。トニで正解だと思った。


  ヒロはトニの教えを素直に教わる。

ダビが現れ、地方の方を回収するように言われる。

  ヒロはここで初めて私に質問した。私は素直に全てを話した。


  何回も質問され、納得させていき、最後にヒロはうなづいてくれた。

  私を守る事を第一と考えてくれている。それは今までもこれからも変わらない。と。


  私も当然、ヒロを守る事を言った。今はもうヒロを失う事は私を失う事だったから。


  トニと別れ、九州の方に向かう。ヒロは私にどんどんパーティクルを回収しようと提案した。

  パーティクルを回収すればするほど私の危険は少なくなる。それは分かっている。でも私はヒロに守られたい。

  私を私が守れるようになればヒロはきっと、自分の存在を否定するだろう。私が自分で身を守れるようになればヒロは生きてる価値と意味を失う。


  まだヒロは、私とヒロは一つ。という真の意味を理解していない。


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