ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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エピローグ.1

公開日時: 2021年5月2日(日) 08:35
文字数:471

「続きの小説が書けるね」

志織が言いながら階段への扉へ向かう。とりあえずダビデの箱へ向かうらしい。

「ねぇ。俺は本当に志織の役に立った?」

俺は一番聞きたい事を聞いた。今聞かなかったらずっと言えないかもしれない。そう思ったからだ。志織は立ち止まり、

「もちろん。最初から今までまでずっと私を助けてくれたわ」

それから志織は振り返り俺に抱きついた。

「そばにいてありがとう」

俺の胸元に顔をうずめ、くぐもった声で言った。俺も志織を抱きしめ返して、

「助けてくれてありがとう」

と言った。


「このままジャンプしない?」

このまま?と俺は聞き返す。志織はうなづきながら跳び跳ねた。俺も力を入れて跳んだ。

トニとパルを思い出す。きっと志織も思い出したに違いない。

抱きあったまま何回も跳ぶ。あまりにもバカバカしい行為で俺も志織も声を出して笑った。笑い過ぎてお腹が痛くなった気がした。


「なんでこんな事をしたいと思ったの?」

俺は笑いながら聞いた。

「分かんない。なんとなくしたくなったのよ」

志織も笑いながら答えた。


これからまだ大変な事は起こる。でも、今だけは楽しく平和で幸せだった。


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