ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.131

公開日時: 2021年4月5日(月) 20:45
文字数:773

場所を変えて撃つ。すぐさま石やナイフが飛んでくる。当たり前だが本気で殺しにきている。これでは援護にならない。


マシンガンの発射音。思わずしゃがみ込む。音の方を見るとマシンガンを撃ったポピュレーターはすでに何本もの刀や槍に突き刺しにされていた。


マシンガンや爆発物、強力な武器を持っていると真っ先にヤラレてしまうのだ。俺も危ない。現に数発撃っただけで、すぐ標的にされている。

青く発光した数人が俺の方に走って来る。他のポピュレーターよりも明るい。俺はすぐさま逃げる。赤色の発光の多い所へ。途中、足を何かで斬られる。転がりながらも、味方の近くへ。


左足首がパックリと裂けていた。治るまで数分位。倒れこんだまま車の下に隠れる。見つかれば終わる。

分かっていた。無理なのは分かっていた。俺の発光が暗いのが救い。


パルの声。見覚えのある靴とズボン。俺は這い出る。

「なんでど真ん中に来るんだよ」

パルは言いながらも、敵を倒す。敵の攻撃をかわす。

「こっちだ」

パルの後ろを着いて行く。誰も追って来ない。発光が赤色だけの場所。三十人はいる。助かった。本気でそう思った。

「この屋上から狙撃しろ」

パルは俺にライフルを渡しながら言った。

「お前がオトリだ。そう説明した」

とパルは続けて言う。俺はうなづく。理解した。

殺す優先順位は、強力な武器を持つポピュレーターから。味方のポピュレーター達は、俺を援護する代わりに、俺を殺しに来る敵を返り討ちにし回収する。

「上にも置いてある」

そう言うとパルは手を振りまた激戦区へ戻って行った。建物は三階建ての小さなアパート。俺はすぐさま駆け登る。三階の窓に転がってた死体に銃を構えさせて窓に置く。安易だがダミーになる。階段の窓にも銃を突き出しとく。

屋上。四方を観察。逃げ道を数箇所考える。あと二時間で暗くなる。ライフルは三丁。全てに弾を詰めて撃ち始める。

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