ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
sadojam

小説.58

公開日時: 2020年12月2日(水) 08:10
文字数:309

「眠くはないわ」

  志織の言葉でピンとくる。今すぐにここを離れるつもりだ。

「一緒にいると情が湧くから今すぐ出ようか」

俺は言った。これ以上、志織に気遣わせたくない。志織は笑ってうなずいた。逃げる準備は出来てるから。と言って志織は指差した。指した先には三つのリュック。


  俺は担いで、志織と一緒に静かに学校から出て行った。手紙の書き置きもしなかった。


  これからあっと言う間に寒くなるだろう。行き先は自然と関東へ戻る事になった。埼玉の秩父辺りならどうだろうか。俺と志織は歩きながらそんな話をした。

  俺は人助けをした。出来た。多分、志織も人助けをした事、出来た事に気分がいいはずだ。志織の足取りが軽かったように見えた。


  俺は気分が良かった。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート