暑さ以外は快適な夏を学校で過ごした。ずっとここで生きていけそうな気がする。酒やタバコは意外な場面で役に立った。学校には思ってた以上に人間がやって来るので、学校侵入を諦めてもらう代わりに酒とタバコを渡すのだ。
昼間、動いてる人間は俺一人。他の地区は知らないが、かなり歩き回り生活用品を集め回ったが、昼間は一人として人間に出逢う事、見かける事すらなかった。
人間はゾンビが襲わなくなる夜に行動してる。暗くない夕暮れ時が一番多い。自分と同じように誰もが空き家の民家やマンションに入って行く。
学校は探す場所の優先度が低く、まだ一軒家を探した方がマシ。
志織は外に出たがらない。もちろん、出たいと言っても俺は止めるが。
もし志織が外に出る時は、この場所を手放す時だけだ。
志織はほとんど本を読むか、寝るかの毎日。眠気もなく読書も飽きたら、屋上に行き望遠鏡で周りを覗く。景色は変わり映えしない。昼はゾンビしか動いていないし、夜は真っ暗で分からない。図書室の本を全部読むのにまだまだ時間が費やせる。
俺は昼間は家探し。ゾンビがかたまり集まってる場所もほとんど把握出来た。その通りには近寄らないようにしている。人間が居るからだ。
ほとんど毎日、生活用品を探し周っていたせいで、どの店舗に何があり、どの住宅に何があるのか分かるようになった。いちいち持って帰らずとも、記憶しとけばそこに保管してる事と同じ事。必要な時に取りに行けばいい。と。
そんなある日、ついに学校から離れる出来事が起きた。
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