中国の大都市を周り、空軍基地へ向かう。飛行機を捜す。
ポピュレーターになって味覚を感じないトニがチョコを食べたいと言い出す。
「口の中のネットリ感がある」
とトニは対抗する。私も味覚や痛覚は無くなりつつある。睡眠もすぐに目覚めてしまう。もう少しでポピュレーターになる。
中国の空軍基地。丹東空軍基地から瀋陽北陸基地、瀋陽東塔基地へ。そこでパルが修復可能な飛行機を修理し始める。
その頃には、私の血液が骨髄に流れ始め肌も白くなっていた。皮膚も堅くなり、私の左肩から排泄物が湧き出す。
懐かしい身体の感触と感覚が蘇る。
ポピュレーターになれば、食べ物も要らなくなり、ゾンビや人間の肉体の摂取に変わる。
長く伸びた髪の毛をどうするか悩んだが、今回はこの長いままでいいかな。と思い、前髪だけを揃えるように切った。
「さぁ、少し早いがパーティに参加しようぜ」
私を見てトニが言った。私はうなづく。
今まで守られてきたから、その分暴れるつもりだった。ヒロに私の強さを魅せたい気持ちがあった。ヒロを安心させたい。
それに出来る限りヒロと一緒に長生きしたい。数千年は人間にしてみたら長く永遠のように感じるだろうが、過ぎてしまえば同じ。
時間はいつも過ぎ行くまでが長く、過ぎ去れば早く感じるもの。
私は、鉄くずの中から先の尖った鉄の細い棒を数本抜き取る。それが私の武器だ。一番無駄なく効率の良い倒し方だと私は思ってる。
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