ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.43

公開日時: 2020年12月4日(金) 08:20
文字数:634

  充分な量の矢を作り、次は弓を作る作業に入る。ポストの色が変わってる事に気づく。ポストの下には糸がたくさん置いてあった。俺は矢をポストに置き、弓を作り始める。

  威力はないが、威嚇や牽制にはかなり使える。人数が多い方が勝つ。だが、拳銃一つで形勢はあっけなく逆転する。弾が入ってなくてもだ。


  毎日、どこかで人が死んでいるはず。最初に比べ今はゾンビに襲われて死ぬより病気で死んでく方が多い。あと数年もこのままだと餓死もあり得る。それでもまだ命の価値は下がらない。


  ゾンビの居ない自給自足出来る環境。水源もあり、薬があり医者がいる。多分、それが現時点での一番安全な場所なのだろう。三浦家が最も適している。


  退屈だと思える生活。人間関係で悩む日常は幸せな生活なのだ。


  ここが求めていた地なのか?


  まだ分からない。ここに来てまだ二日目。今はまだ持ってきた生活用品がモノを言っている。小分けにして渡すべきだったか?

  一人で勝手に探しに行くのも、ここからだと時間がかかり過ぎる。


夕方に男達が降りて来た。ツトムさん達に弓矢を試してもらう。ツトムさん達が矢を射ってるのを眺める。

  出来は悪くない。近付かないと殺傷力はないが充分に使えてる。練習する時間は山ほどある。


「盾もいるな」

  ツトムさんが言った。そう、俺が弓矢を思いつき作れるという事は当然、他の人間も同じ事を考えてる。

  実際になんでも、やってみないと分からない。弓矢も頭では簡単に作れそうだったが、実際は難しかった。思ったより威力はないし、すぐに壊れる。


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