ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.114

公開日時: 2021年3月21日(日) 11:20
文字数:944

さらに一日経つ。何も起きなかった。小屋の屋根に登ってみた。何も無し。新しい考え事は、ダビデ以外にもこういう隠し場所や隠れ家を用意してるグループがいるはずだ。と思い付いた事位。

一年は長い。トニ達はまだ小屋から出て来ない。それだけ志織の居る場所は激戦という事か。

トニのパペット達が表に出てくる時は本体のトニ達が安全な場所にいる時。もしくは何か悲劇が起きた事を知らせる時。


摂取も必要になるから三日、四日後には出て来るだろう。ここら辺りにゾンビや人間は居ない。

殺した四体は海に投げ捨ててしまった。取っておくべきだったか?

退屈だと感じる時にはたいがい何か起きる。と神経を張り巡らせていたら、案の定。遠くでキラリと光ったのが視野に入った。慌てて地面に伏せ双眼鏡で覗く。まだ朝方なので気付けたが昼間の明るい時では見逃すところだった。


ポピュレーターの光ではなく、バイクだった。バイクに太陽が反射。その後から大型のバンが二台。ポピュレーターだとは思う。双眼鏡を外したが遠くて発光してるか分からない。


車で来られたらお手上げだ。バイクや車ではなく、装甲車や戦車だったら、とても敵わない。手榴弾をたくさん投げられてもおしまい。狙撃で一人一人倒すなんて甘かった。


バイクと車は去り去り見えなくなった。俺は充分待ってから、急いで小屋から百メートル離れた辺りの場所に車一台分の穴を何箇所も掘る事にした。


疲労はないから、至る所に掘りまくる。毎日穴を掘ろうと思った。どうせやる事はない。


倒したポピュレーターのパーティクルを全部回収してくのは難しいと思う。こないだのトニ達は三メートル位まで近寄っていた。

気球にでも乗って激戦区の上空でパーティクルを回収した方が早いような気がする。

パーティクルでカーリーの思考に跳ぶ。秦の始皇帝のエイ。マヤ文明の長、バイ。エジプト時代の王様カニ。ポピュレーターの頂点カーリー。無敵だと聞く。近寄るだけで殺されるという。皆がそれを目指してるのか?

やはりAZの元には還りたくはないのだろうか?


自分のパーティクルを増やす為に、何百年も待ち続けたチャンス。


人間の私欲で地球を危機に追い詰めた。だがその危機はポピュレーター達にしてみたら寿命を増やせる唯一のチャンス。ポピュレーターの為に人間を作ったのか?

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