ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.135

公開日時: 2021年4月6日(火) 08:43
文字数:776

屋上にあったライフルは全て壊されていた。

隣のビルの窓から長いハシゴが横に突き出ている。そこから二人組が飛び乗って来たのだ。その気になればロープで登ってこられる。

脱出用に考えていた雨どいや、突き出しているエアコンの室外機からも登ってこられる。


雨どいと室外機を壊した。逃げ道は飛び降りる。二階と三階の手すりに掴まり、下のバリケード代わりの車に飛び降りる。

逃げ道はそのルートだけに決めたを隣のビルから突き出ているハシゴは後で外す。


遠くから轟音。爆発音。ビルが邪魔で見えない。高く伸びてるアンテナに登る。灰色の煙が見える。ビルとビルの間にチラリと見える。戦車だ。

屋上から下に叫ぶ。が聞こえてない。俺は壊れてる銃を何本か落とす。

何人か気付く。俺は戦車の方向を指差し「タンクだ」と叫ぶ。その瞬間にこのビル通りに戦車が現れた。戦車には何十人のポピュレーターがまとわりついている。戦車の中には入れないようだ。戦車は何人ものポピュレーターを背負いながらもかまわず進んで来る。


カブトムシに群がる蟻のよう。それ以外の喩えが思い付かない。


車を次々と戦車にぶつけてく。戦車は動じない。潰されるポピュレーター。轢かれてくポピュレーター。

何人かが大型トラックを押して戦車の通行を妨げようとしてるが、押しているポピュレーターを違うポピュレーターが背中から斬り殺す。

再び轟音。大型トラックが飛び散る。周りのポピュレーターも飛び散る。トラックの破片がポピュレーターはもちろん、壁や車にも突き刺さる。凄まじい破壊力。

逃げ惑うポピュレーター。回収どころの騒ぎではない。

戦車の砲弾針がこちらを向いた。轟音。ビルの一階部分が崩れる。コンクリなどの粉塵が赤色に染まる。味方がたくさんやられた証拠。もう一回轟音。

ビル全体が揺らぐ。俺は思い切り隣のハシゴに向かって跳ぶ。上手く掴めてすぐ屋内へ逃げ込む。

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