「昔はそう呼ばれた時があったわ」
「それって冗談だよね?」
「当たり前じゃない」
志織は真顔。
「少し考えさせて」
俺の言葉に志織がうなづく。俺は表に出る。
突然、人間がゾンビになり、俺だけがゾンビの身体の人間になった。俺だけかと思っていたがタオや、こないだ見た人間離れの人間がいた。
それはまぎれもない現実だ。
志織はどこから見ても人間。排泄もするし血も赤い。痛みもあるし、食べないと痩せていく。
大きな病気や怪我はしてないが、擦り傷や切り傷は多々ある。足にもマメが出来ている。爪も伸びてるし、髪の毛も伸びてる。
特殊な所は全く見ていない。違う所はあの年齢で、やけに大人びた性格。でも、それは生活環境のせいだと思ってる。
小学生が万引きをし中学生が援交する時代。別に居てもおかしくはない。
空にアイポが居るというが俺には見えないし、ゾンビは志織を襲う。
かなり色々考えたが、分からず。結局やるべき事を考える。
志織の安全。食料の確保。つまり志織の生存だ。
たとえあの小説が事実だとしてもそれだけは変わらない。
あの小説は志織の才能だ。
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