ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
sadojam

エピローグ.2

公開日時: 2021年5月2日(日) 08:35
文字数:587

志織はカーリーになってはいなかった。なので、ダビデの箱は俺が持っている。一キロ離れた先に志織が居る。


海に破棄しようとしたが、なんか可哀想な気がしたからだ。

志織は俺の思いを受け入れてくれた。今までのカーリーにも動けないカーリーがいて、ピラミッドの地下奥にも存在してる。と言っていた。

バミューダ海域の魔のトライアングルもそうかも。と志織は言った。


ダビデの箱を背負いながら一人歩く。でも一キロ先に志織がいる。一人だけど一人ではない。


俺はある意味無敵になった。ダビデの箱を持ってる限り。誰も近寄れない。分かる場所に埋めようと思う。何処に埋めたらいいか考える。考える時間はいくらでもある。


荒れ果てた道路や看板。朽ち果てている家屋。何十年後には、どこもかしこも綺麗に変わってるだろう。

変わらないのは俺と志織だけ。そしてカーリー。ダビデ。


審判のトキを迎えたのは一ヶ月くらい後の夜。多分七時くらい。ボストンの島にある志織の家。

志織からパーティクルが空高く立ち昇ってくのが分かる。ここから陸は見えないが他のポピュレーター達も同じだろう。


世界が数十秒明るくなり、再び暗くなりオーロラが世界を覆う。

いつかはこのオーロラも消え、また人間が世界を支配するだろう。


誰が地球を支配しようが構わない。志織がそばにさえ居てくれたら。俺はメガネを外し志織を見た。


志織は笑ってた。


この笑顔で俺は幸せだ。


〜終わり〜


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート