ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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志織の小説.11

公開日時: 2021年2月7日(日) 08:29
文字数:1,139

  中国人のポピュレーター達が襲いかかってきたせいで、サニーとヨウコがパーティから去った。私が原因。

私を守るのにダビが専念してくれた為に、返り討ち出来ずに逃げられた。

  サニーとヨウコは自分達が襲われた事と逃げられた事を許せずに追いかけていった。


「ポピュレーター同士奪いあってもいいの?」

  ヒロが聞く。

「パーティクルを回収すればするほど、自分の寿命と能力が増えるのよ。当然、人間の身体からポピュレーターの身体へ戻るわ。そうするともっと効率のいい奪う方法へシフトするのよ」

  私が答える。


「まだ審判まで時間があるのにねぇ」

  ダビは言い、ため息を吐いた。

「審判って?」

「AZはある程度パーティクルを回収すると、ポピュレーターが集めたパーティクルをポピュレーター同士、奪い合ってもいいのよ。それが審判の日。それが過ぎれば私達の役目は終わって、人間社会の復興開始の日でもあるわ」

  ヒロの質問に答える。


「まだ始まってないんでしょ?」

  ヒロの次の質問はダビが教えてくれた。

「始まってはいない。干ばつと洪水の繰り返しが起きたせいで、人間とゾンビが壊滅的にいなくなったのが原因だな」


「災害や病気で死んだりした人間やゾンビのパーティクルは?」

  ヒロの質問に私の答え。

「その回収は私達ポピュレーターの役目じゃないの」


「なんか妙な気分だな。パペットが喋るなんて」

  パペットのトニが言った。当然、ポピュレーターのトニの思考の台詞だ。


「俺がシェーリーで、こいつがパペット。シリはまだ人間だがポピュレーター。で、ヒロはなんだ?意思のあるパペットか?」

  トニが自分と自分のパペットを指差す。それから私、ヒロを指差しながら質問する。

「ヒロはヒロね」

  私は答えた。

「でもさ、シリのパーティクルは入ってるんだろ?シリが死んだらヒロはどうなる?」

「ヒロは変わらないわ。私だけがAZの元へ戻るだけよ」

  私はそうする。私達ポピュレーターは自分の身体を失ってもパペットの身体で生きていける。だがパペットのヒロには私のパーティクルは入れたくない。


「ダビ。私とヒロみたいな関係のポピュレーターは居た?」

  ダビに聞く。ダビは首を振って言う。

「聞いた事もないぞ。本来ならヒロはとっくに精神が壊れてるはずだ。あり得ない」


「俺がなぜいつも精神異常者をパペットに選んでるか分かるか?」

  パルが突然、口を開いた。皆、パルを見る。

「正常な精神の人間をパペットにするより精神異常者の方がスムーズに動かせるんだ。以前知らずに精神異常者をパペットにした時、普通の人間よりはるかに感度が良かったんだ。よりシンクロしたんだ。実際に使ってみなと、この感覚は分からないんだがな」


「それとヒロとどういう関係性が?」

  ダビが口を挟む。

「いや、なんとなく関係あるんじゃないかと」

  パルは頭をかいた。


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