ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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志織の小説.6

公開日時: 2021年2月1日(月) 08:46
文字数:861

  冬から春になり、ヒロとあてもなく歩き続け、パーティクルをどんどん回収していく。やはり町の方が捗る。ただ大きな街には私の知らないポピュレーターが居て、ほとんど回収出来ない。

  それでも大きな不安もなく、ポピュレーターと接触する事もなく回収する日々が続く。

  途中、刑務所に寄ったが、やはり知らないポピュレーターが仕切っていた。

  当然、私達は門前払いをされた。同じ場所に二つもポピュレーターは必要ない。むしろ邪魔。


  私は他のポピュレーターより回収量は少ないが、あまり気にしない。勝負するポピュレーターも居るが、このペースで充分満足している。

  私にはヒロが居るから退屈しない。やはり孤独だと回収作業しかやる事がない。


  前回のイギリス、イタリアの時は、パルやトニ達と集め回った。楽しかった時もあったが、やはり自由ではなかった。それに最後の審判で後味が悪くなる。

  今回はどうなるのか。まだまだ先の話。


  三浦家という大所帯のグループに潜り込めた。ポピュレーターは居なかった。

  久しぶりに人間のコミニティーを楽しんだ。子供はやはりかわいく遊んで楽しい。

  その頃にはパーティクルをコントロール出来る位の私の分が貯まり、子供が居ても安心して睡眠も楽しんだ。


  近くにタゥオーが居るのは既に分かってはいたが、知らない仲じゃないし、互いに敵対してたわけじゃない。かなり楽観していた。


  タゥオーは、刑務所のポピュレーター同様、人間を利用してパーティクルを回収していた。人間の所にゾンビが集まるのを利用して回収している。

  邪魔はしてないつもりだった。あの時の私は子供達がいるのもあり、回収していなかったし。

  ただタゥオーは私を勘ぐった。そりゃあ昔は騙した事もあったけど、それはお互い様だったはず。


  二度目の忠告は直接、私の所に来た。タゥオーは問答無用で二人のパーティクルを吸い取った。

  ヒロでは到底太刀打ち出来ない。タゥオーは、冷ややかな笑いを残して去った。

  コッソリ誰にも見つからないように私に忠告が出来たはずなのに。


  私が甘くなったのか、タゥオーが冷酷になったのか。きっと両方だと思う。


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