「どう?なんとなく分かった?」
「うーん。AZが人間を作り、人間が地球の危機を作ったのでAZが怒り、人間の脳を硬化した。その硬化に使ったパーティクルってのを回収する為に志織やパルが居る」
「まぁ、そんか感じかな。でも私もAZもヒロも人間も同じなのよ。ヒロの右手も髪の毛も足の爪も全部ヒロのでしょ?それが離れてるから別個に思えるワケよ」
「AZは宇宙人?」
「宇宙を彷徨い続けて地球を見つけたのよ。宇宙はホントに何もないんだから。考えたり思ったりするのは楽しいけど何億年も同じだとつまらなくなるのよ」
「なんで俺なの?俺と志織の関係性が分からん」
「パーティクルを回収する時には、私個人のパーティクルをいったん手放さなきゃならないのよ。そうしないと新しいパーティクルが貰えないのよ。バージョンアップって感じかな。その為にもう一つの動く個体…人間が必ず必要になるの」
「データ保存先が俺か?」
「そういう設定にしてみたわ」
俺はもう一度読み返す。志織は空想上の物語だと言うが、あまりにも現実と辻褄が合いすぎる。
「もし、これが真実だとしての話ね」
と俺はいったん言ってから、
「もし本当の事だったら俺はとっくにゾンビになってた?」
志織は笑って言った。
「まだ決めてない。だって十分の一くらいの人間は脳硬化にはならないから。全員居なくなったら滅亡しちゃうじゃない。一から人間を作るのってかなり大変なのよ。アダムとイブを作った時なんてとてつもなく時間かかったんだから」
余計に分からなくなる。
「AZって神様?」
「前に神様と私は天使の話を書くって言ってなかったっけ?」
確かにそんな事を言ってたような気がする。AZが神様で志織が天使か。
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