ゾンビサバイバル 【比翼の鳥の物語】

終末世界を少女と二人で生き抜くお話(完結)
sadojam
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現実.25

公開日時: 2020年10月12日(月) 07:54
文字数:967

  ふと我に返る。時計を見るとかなりの時間が経っていた。夢中になるとあっという間に時間が経つ。それも小説を書きたいメリットの一つでもある。


  まだまだ書きたい事がある。丁寧に書きすぎてるかもしれない。でもどれも今だに鮮明な記憶なのだ。

  あのブルドーザーの重大はどこに行ったのだろうか。スーパーのトイレに食料を隠した人間は生き残れたのか?あの家族は?自転車で逃げた男は?

  飛行機で空から東京の様子を見てみたい気持ちがある。でも今まで一度も飛んでる飛行機を見た事も、飛行機の音も聞いた事がない。ヘリコプター位は飛んでいてもよさそうなのだが。


  世界が崩れてまだ三年しか。もう三年も。どちらだろう。だが三年志織と生き延びて自信はついた。十年、二十年生き延びれるかの自信はまだ無い。

  三浦家と一緒なら一年、二年は安心して生き延びれるだろう。


  このままゾンビが減り、電気が復旧さえしたら、以前より大きく後退した世界にはなるが今よりマシになるはず。

  先の事は誰も分からない。復旧した途端またゾンビが発生するかもしれない。


  辺りには鳥と木と花。空気、太陽、空。そして自分一人だけの世界。思考垂れ流しの時間。嫌いではない。


  現実な思考に戻る。ツトムさん達が来るまでに荷物の選別をしなくてはならない。紙とノートも必要だ。書き置きしとけば居ない間に来ても俺の居場所が分かるように。


  俺はコンビニまで走った。十分ちょいで着いた。五キロの距離を十分。速い方なのか分からない。もっと早く走れるが足が壊れるだろう。疲れは感じない。汗も息切れもない。ゾンビになってよかったと思う事の一つ。


  ゾンビは大人しくコンビニの店内に居た。まだ共喰いもしていない。荷物は結局、全部持って行く事にした。

  留守にする時は、体力回復の為に走って来ます。と書き置きしとけばいい。帰りに思い付く。

 

  コンテナハウスに着いて荷物を分ける。何回か往復した。と言わないと。普通の人間でこの量は一往復では無理。


  コンテナハウスの裏に押し車を置く。荷物のほとんどは志織が使う物だ。

俺に一番必要な手回し充電器を取り出す。それから望遠鏡を壁に掛ける。ナイフ。服。包帯。タオル。ロケット花火。紙とノート。


  あとは必要ない。ピアノ線でワナを作るのもいいかな。けっこうやる事がある。ただ歩いてるだけだった今までとは違うから、新鮮で少し楽しくなる。

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