アルビノ少女と白き真炎龍《ヴェーラフラモドラコ》

〜家の近くの森で絶滅したはずの龍を見つけたので、私このまま旅にでます〜
辺寝栄無
辺寝栄無

秘めた想い、吐露――。

公開日時: 2022年5月29日(日) 00:00
更新日時: 2022年8月20日(土) 16:09
文字数:833

 クソがッ、なんでオレがこんなことしなきゃならねェ。なんでこうなった。


 なンでいつもうまくいかねェ……。なンでなんだ。


 これからだったんだ。これから、これからやっとうまくいくッて時に限ってよぉ。なンでうまくいかねェんだよ。


 ……生まれてからいつも、こんなんばっかだ。


 貴族っつッてもよぉ、持ってる領地は戦地の近く。しかも、戦には負け、いまやカルカヌスなんてとこ、どこにも存在しやしねぇ……。


 挙句、どさくさに紛れて反乱を起こされて、使はずの犬に使始末。これじゃあよ、再興なんて、夢のまた夢だ。


 我ながらマジで救えねェ……。


 ――いや、それはシモンも同じか……。


 オレの人生、全くもって幸福とは言えねぇ……けど、けどよ。お前がいたおかげで、最悪じゃあなかったぜ。


 オメェの言うこと聞いてりゃあよ、たまにゃいい思いもできたし、何より今の今まで生きてこれたのは他でもねぇ、シモン、お前のおかげだと俺ぁ思ってるよ。


 シモン、お前がいたおかげでよぉ、オレぁ、死なずにすんだんだ……。


 シモン、オメェがよ、ここにいりゃあよ、もうちっとマシな状況だったんだろうなぁ。


 なのによぉ、なンで残っちまったんだよ。


 オメェがいねェとよ、俺ァ、なンもできねェンだよ!


 ッ――! クソがよォオ!!


 なンで残ッたンだ一人でよォオ!!!!


 勝手に、てめぇ一人で……――。クソぉ……、くそがよぉ……。


 オレ一人でよぉ! 犬二匹相手にどうしろッてンだよ……!


 ――クソが、マジで、意味ねぇことしちまったぜ。


 なぁシモン、オメェが馬鹿一人野放しにすッから……。オレぁいま、こンなンなッちまったじゃねぇかよ。


 クソがよぉ、オレだッてわかッてンだよ! こンなン嫌がらせにもなりゃしねェッてなァア!!


 ……シモン、オメェが後ろにいりゃあよぉ。犬如き、何匹こようがどッてことねぇのによぉ……。


 オレぁどうすりゃあいい、シモン。いつもみてぇにどうすりゃいいか教えてくれよ。


 オレぁよぉ、一人じゃあなんも出来やしねェンだよ。


 だからよぉ、また二人で――――。

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