みなさま、お待たせしました!!
KIAIを入れてこの話を書いていたらすごく遅くなりました。
ちなみに評価を頂いてからすでに3話分のプロットは出来ています。
・ビジネスホテルの謎
・縁日の的屋の謎
・宮野美穂の謎
今回の話はそのうちの一つです!
他の2話も近々公開しますので、こうご期待!
彼女の名前は 宮野 美穂。
うちの店の従業員だ。働き者で真面目。
そんな彼女もこの店において、今では主戦力なのだが、彼女も過去に秘密があった。
彼女は持ち前のまじめさもあり、従業員から評判が良かった。
その彼女もラーメン屋の夜の部に入ると同時に、責任者として夜の部の店を任せようと、おやぢは考えていた。
そんな彼女の過去を今回は語っていこうと思う。
以前は大手商社のOLだった。有名大学卒業後大手商社に就職。
会社の同僚との付き合いを重視する余り、身の回りにも気を遣い、交際費は果てしなく高かった。
そのことが原因で借金をし、支払いが難しくなった彼女は闇金融に手を出していた。利子すら支払えなくなるまでには時間はかからなかった。
闇金融の推薦という名の強制で、泣く泣く夜の接客業を行うようになる。運がいいことに、彼女はそのまま夜のお風呂屋さんに行かなかっただけまだ幸運である。普段なら夜のお風呂屋さんに直行コースであったが、たまたま系列店の接客業が人がいなくて、困っていたからである。
闇金融の利子はその店にいる間は3割に減免されていたが、それでも年利15%はある。普段の金利がいかに高かったことの表れだ。
当然以前に比べて会社の同僚との付き合いは無くなり、周りから疑念を持たれていた。
そしてある日、社内にこういったうわさが流れていた。「宮野に似たやつがある店にいる」と。
ある店の種類は、セクキャバ。
セクキャバとは「セクシーキャバクラ」の略で一言でいえば「おさわりOKのキャバクラ」。
ただ、店によって「触っていい場所」「触っていい時間」「触り方」などがまったく違うが大体そんな感じだ。
どこを触っていいかとかは、聞いてはいけない話題だ。
事実確認をするまでもなく、会社のイメージを貶めたとして自主退職という扱いにして貰い、大手商社を退職した。
その際たまたま知人である、うちの店の従業員の紹介でこの店に入ったという事だ。
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この店の特徴として、2Fの宴会場の従業員しか入れないエリアに客室がある。
ここの2Fは本来ビジネスホテルの一角として建設されたものである。
しかし、ラーメン屋として改装工事が入った際、1Fと2Fを繋ぐ階段がある。ホテルの宴会場として使う予定だった場所をラーメン屋の宴会譲渡して畳を敷き詰めることになった。
尚、従業員しか入れないエリアに1Fと2Fが繋がっており、お客さんが入れるところにも1Fと2Fが繋がっている。
従業員エリアには複数の部屋があり、仮眠室として使ってるのが3つ、男子更衣室、女子更衣室、社長室などがある。
元々ホテルを想定してるので各部屋にシャワートイレ付のユニットバス完備だ。
仮眠室の居心地が良くて、従業員だけでなく、おやぢの知り合いが泊ることもある。
――閑話休題
基本的にこの店は2交代制である。稼げるランチタイムは、店主の身内に運営を任せている。
ある日、店主は出勤してきた時、パートさんに話しかけられる。
「おやぢさん、ちょっと紹介したい人がいるんです」
そう、昼間のパートさんの引継ぎの際に、こう言われたのがきっかけだった。
――次の日。
ある女性が2F宴会場で待っていた。宮野美穂だった。
彼女は、昼間の会社員を退職して夜の仕事一本だけでは生活ができないという事で、うちの店に働かせてもらえないか? という相談だった。
この店は基本的に求人を出さない。業種的にラーメン屋なのだが、関わってる人などの関係で新規は雇わないようにしている。そのため、従業員の新規雇用は、こうした店の人間からの紹介がほとんどである。
もちろん本人との聞き取り面接は欠かさない。面接は店のオーナーであるおやぢの役目である。
そして宮野美穂のこの店に働きたい理由と事情を聞いた。
おやぢは事情を察した。
そのまま待つように言い残し、宮野を残して電話を掛けに行く。
――数分後
三次がやってくる。
「兄貴、お待たせしました!」
「ああ、こんな時間に呼び出して悪いな、ちょっと調べてもらいたいことがある」
そう言うとおやぢは、先ほど受け取った宮野 美穂の履歴書のコピーを渡す。
「了解っす! 数時間後でいいっすか?」
「ああ、それまでこの店に居させる、そこの【系列店の店】にも伝えておいてくれ」
「わかりました!」
そう言うと足早に立ち去っていく。そして、おやぢは2Fへ戻っていく。
「待たせたな」
「い、いえ、大丈夫です」
「履歴書に書いてある系列店の店だが、知人がいる。だから今日は休んでもいい」
「え?」
「心配するな、こちらの都合で休ませるんだ。何も問題ない」
「え、でも、店長さんにはご迷惑おかけするのでは?」
「俺は大丈夫だ、最近いろいろあって疲れただろう。201号室使っていいからそこでしばらく待っていてくれ、その部屋のカギだ」
「あ、はい。あ、ありがとうございます!」
宮野は、正座で座っていて深々と頭を下げて去っていった。
――おやぢは何をしたか?
宮野美穂の借りていた闇金融はおやぢの知り合いの組長の系列店だった。うちの店に就職するという条件での借金の減額の頼み込みだった。
数時間後すぐ結果が出た。三次が借用書を持って戻ってきたのである。
接客業の中抜きによる利益と、利子の利益の再計算などを行われた結果、借金は帳消しになった。紹介された店を真面目に勤め、真面目に返済していた宮野には、他の債務者とは違う評価が下されていた。
もちろん、このおやぢの口利きがあったからというのは言うまでもないが、この口添えが無ければ、いずれ夜のお風呂屋さんに移動する計画もあった。まさに宮野の運の良さと真面目さが功を奏した。
こうして宮野美穂は春風亭の従業員になるのであった。
――――宮野美穂という最大戦力は、今もこの店で能力をいかんなく発揮してるのであった。
文章が何か変な気がしますが、そのあたりはご愛敬で!
みなさまの評価によって、支えられています!
1pでも喜びますのでぜひとも評価のほどよろしくお願いします!
もし、
この作品が面白い!
続きが見たい!
ラーメン屋のおやぢが好きだ!
もっと夢を見させてくれ!
と思われましたら、
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