ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。

ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態OK=絶賛連載中÷微妙に癖になる。
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第144話【明日へ】

公開日時: 2020年11月20日(金) 18:34
文字数:2,450

「じゃあ、アスラン。わたくしは帰りますぞ……」


「ああ、分かった。お疲れさん」


「…………」


名残惜しそうに扉の隙間から室内を覗いていたポラリスが、やっと扉を閉めて帰ってくれた。


俺は自室のベッドに寝込んで、額に濡れタオルを乗せている。


まだ頭が痛い。


セルフヒールで傷は癒したが頭痛は取れないでいた。


窓から外の空を見上げれば、夕日で赤く染まっている。


もう、今日はこのまま寝込んで終わりかな。


明日までに頭痛が治ればいいのだが……。


流石に丸太で頭を強打されて、一回転して頭から落ちたのだ。


そりゃあ堪らんよね。


しかも魂が口から出て神様にも出会ったのだ。


もう、酷い一日だったよね。


でも、あの神様が糞女神をやっつけてくれたら嬉しいのだがな。


もしも神様が頑張ってくれたら、俺も死んだかいがあったってもんだわ。


まあ、何にしろ今日は早く寝よう。


まだ、夕飯を食べてないからお腹は空いている。


今日の夕御飯は何だろう?


一回死んで生き返ったんだから、お祝いにご馳走だといいよね。


んー、甘いかな?


でも、いい匂いがし始めたし期待は薄くなかろう。


あとはピーターさん次第だな。


はぁ~、疲れた……。


眠たい……。


んん?


誰かが階段を上がって来る足音が聴こえて来たぞ。


ピーターさんが食事でも運んで来てくれたかな?


トントンって扉がノックされた。


「はぁ~い、どうぞ~」


扉が開くとお盆に調理を持ったピーターさんが入って来る。


予想通りだぜ。


「アスランくん、御飯が出来たよ」


「有り難うございます、ピーターさん」


お盆で食事を運ぶピーターさんは、未だに裸エプロンの姿だった。


もしかして今日一日、裸エプロンで過ごしていたのかな、この変態は?


それに調理は御馳走とは程遠いいつも通りの感じだった。


ちょっぴり残念だ。


まあ、どうでもいいや。


「じゃあ、食事はテーブルの上に置いて行くからちゃんと食べてね。食器はあとで取りに来るから」


「はい」


俺はピーターさんが部屋を出て行くと、ベッドから身を起こしてテーブルに移動した。


あー、コーンスープだ……。


まだ余ってるよね、昼食の分がさ……。


まあ、贅沢は言えないか。


ちゃんと食べて栄養を取って明日に備えないとな。


明日は閉鎖ダンジョンに再チャレンジだ。


出来れば二人目の英雄クラスのアンデッドを倒したいからな。


それが叶えば近々のうちに仕事が終わるかもしれないし。


そろそろソドムタウンにも帰りたいしな。


あー、スカル姉さん、何してるかな。


ギルガメッシュのおっさんも、ちゃんと仕事に励んでいるかな。


スバルちゃんも頑張ってるかな。


あれ、ん~、これはホームシックってやつなのかな?


俺ってば、寂しがってるの?


寂しん坊なのか?


まあ、いいや。


出来るだけ早く仕事を終わらせるように頑張るだけだ。


あ~、それにしても、このパンは不味いな……。


パンまでピーターさんが焼いているわけでもなかろうし、仕方がないか。


でも、スカル姉さんが焼いた柔らかいパンを食べたいよね。


それに不味いパンなら、冒険者ギルドの硬いパンも懐かしいよな。


まあ、そのうち冒険者ギルドの飯は飽きるほど食えるんだし、今はピーターさんの程々に旨い飯で我慢しよう。


何せ明日からが本番だ。


絶対に英雄クラスのアンデットを倒してやるぞ。


もう、死んだり重症に追い込まれたりなんかしないぞ。


確実に、絶対に、完璧に勝ってやる。


最近はスリルを堪能し過ぎたわ。


俺は冒険者なんだから、それも仕方ないか。


日々冒険とチャレンジが続くもんな。


よし、飯も食い終わったし、持ち物のチェックをしたら寝ようか。


明日の朝からが本番だ。


シャキッとビシッとモッチリと決めてやるぞ!


あー、モッチリは無いか。


それと、黄金剣のセルバンテスだっけ?


ぶっ倒してやるからな!!


よし、持ち物チェックも終了だ。


さぁ~て、寝よ寝よ──。


あ~、ベッドがフカフカだわ。


野宿が懐かしいな……。


もう、つか、れた、わ……。


すやすや……。


……………。


『ア、アスランくん………』


んん?


『アスランくん、居るかい?』


誰だ?


なんか声が聞こえるぞ?


『ぼ、僕だよ、神様だよ』


あれ、どうしたの?


『や、やばいよ……』


え、何が?


『上司に僕らの謀反がバレて、即反撃されているよ。も、もう僕は駄目だ……』


ええ、何があったのさ!?


『もう天界の同胞も、皆が捕まった。残ってるのは僕だけだ』


なに、壊滅かよ!?


『情報をリークしたのが君だってことも知られたぞ』


えっ、マジで!?


『僕が捕まったら次は君の番だ……』


いやいやいや、俺は関係ないだろ!?


『彼女はそうとは考えていないよ。きっと君にも報復を果たすだろうさ……』


マジで!!


『最後にこれだけは言って置くね……』


な、なんだよ!?


『彼女は……、ぐぁ! うわぁぁあああ!!!』


ええっ、何が起きてるの!?


ちょっとマジでヤバくね!?


『ぐぁぁあああ、助けてくれ!!!』


助けたいけど助けられないから、俺への伝言だけはちゃんと全部告げてくれよ!?


『ああ~ん、やめて~。駄目ぇ~ん、もうらぁめ~~……』


おいおい、なんだか気持ち良さそうじゃねえか!?


『ぐぁぁあああ、ぎぃゃぁあああ!!』


やっぱり痛そうだ!!


『はぁ~~ん、らめなの~~、そこはらめ~~』


いやいや、やっぱり気持ちいいことしてないか!?


『ぐっぁぁあああ!! こ、れで、通信、を、終え、る、ぞ……』


ちょっと待てや、最後までちゃんと内容を告げてくれ!!


彼女がどうしたって!?


お前は神様だろ!?


おい、通信を終えるな!!


おいってばさ!!


答えろよ!!


どうした、答えてくれ!?


ち、畜生が……。


これからどうなるんだ、俺は!?


俺も糞女神に仕返しをされるのか!?


完全に巻き沿いじゃあねえかよ!!


『アスランく~~ん♡』


くっ、糞女神!?


『レベル30のお祝いに会いましょうね~。うふふふふふ~~♡』


はっ!?


何それ怖い!!


「はっ!!!」


俺はそこで目が覚めた。


布団から跳ね起きて額の汗を腕で拭った。


全身が汗だく状態じゃあねえか……。


そ、それにしても……。


ここは、俺の部屋だ……。


俺はベットの上に居た……。


い、今のは夢か……。


夢なのか……?



【つづく】

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