ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。

ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態OK=絶賛連載中÷微妙に癖になる。
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第231話【黒女神像の遺跡】

公開日時: 2021年1月15日(金) 18:06
文字数:2,892

ババアのバンシーをダブルジャーマンで撃破した俺は、彼女が落とした深紅に輝くダガーを拾った。


「おや、スクロールも落ちてるぞ」


俺はダガーとスクロールを異次元宝物庫に仕舞うと先を目指した。


鑑定はいつも通りあとのお楽しみである。


そして、真っ直ぐに続く鉱山トンネルを進んでいると大きな石壁に突き当たる。


その壁には人が一人通れるほどの穴が空いていた。


「ここから先が遺跡かな?」


ここが鉱山と遺跡の境目なのだろう。


この奥からスケルトンファイターやバンシーがやって来たと思われる。


俺は警戒しながら石壁の穴を潜って遺跡内に入った。


遺跡の中は狭い通路だった。


左右に真っ直ぐに伸びている。


空気が僅かに寒い。


霊体の気配も強くなる。


「右かな~」


強い霊気を感じるのは右からだ。


俺は右に舵を取って進んだ。


そろそろデスナイトバーサーカーさんに遭遇しそうだな。


この気配はヤツだろう。


ビックでデンジャーな気配がビンビンとしてきますよ。


んっ?


部屋に出たな。


俺は通路の壁に背を付けて室内を覗き込んだ。


広い部屋だった。


否、デカイだな。


野球場ぐらい広くないか?


室内の正面中央に、すげー大きな石像が建ってますわ。


祭壇かな?


怪しい女神像だわ。


ここは黒女神か駄女神を信仰していたのかな?


天井はドーム状で明かりは無い。


床も壁も岩作りだ。


多にも進めそうな通路の入り口が幾つか見える。


大部屋内には何も居ないかな?


巨大女神像の裏側は見えないが、ここは室内に入って探索しないと成らないぞ。


すげー、トラップの臭いがプンプンとするんだよね。


なんとなくの感じだけどさ。


【トラップ発見スキル。トラップを関知して見付けやすくなる。解除できるわけではない】


こんなスキルが有るはずだから、トラップを見付けられるといいのだが。


まあ、まずは壁沿いに進んで女神像を目指そうか。


いきなり室内の中央を横切るのは危険だろう。


落とし穴でも在ったら怖いしね。


そして俺は室内に足を踏み入れた。


数歩進んだ刹那で有る。


ゴゴッと俺が踏んだ床が僅かに沈んだ。


「あー、トラップのスイッチONかな~……」


スキルが役にたってないじゃんか……。


するとズゴンっと大きな音を立てて背後の出入り口が閉まった。


上からシャッターのように鉄の檻が落ちて来て道を塞ぐ。


俺が入って来た出入り口だけでなかった。


別の出入り口も鉄の檻で塞がれる。


「閉じ込められたかな……?」


でも、このぐらいの太さの檻ならば、時間を掛ければ破壊できるだろう。


バトルアックスやウォーハンマーで、バッコンバッコンやれば壊せるよね。


そんなことを考えながら俺が檻を眺めていると、背後で馬の猛る声が聴こえた。


『ヒヒィ~ン』


えっ、馬の雄叫び……?


俺が振り返ると女神像の陰から何かがゾロゾロと姿を表した。


「敵さんのお出ましかな」


灰色でボロボロのローブを靡かせる人型の霊体たちだった。


レイスの群れだな。


七体か八体は居るぞ。


勿論ながら明かりを持っている俺はレイスたちにバレバレであった。


足の無いレイスたちが、ユラユラとローブを揺らしながら俺に迫って来る。


ちょっとレイスの数が多いな……。


それに、馬の姿は無い。


あの声はなんだったんだ?


このレイスたちがヒヒィ~ンって鳴いたのか?


それは無いか。


いや、考えている暇は無いかな。


俺はロングソード+2とショートソード+1を両手に構えて待ち構える。


迫り来るレイスたちとの距離はまだある。


よし、まずはエンチャントだ。


「ディフェンスシールド、ディフェンスアーマー、フォーカスアイ、ファイアーエンチャントウェポン」


順々に唱えられるエンチャント魔法の数々。


俺が全力でバフっているとレイスたちが魔法の射程に入ったのかマジックアローを揃って撃って来る。


「わおっ!?」


俺は飛び来る魔法の矢に向かって走り出す。


半分はレジストしたが半分は身体に当たる。


だが、当たっただけだ。


魔法の矢は一本も刺さっていない。


ノーダメージでは無かったが、堪えられない痛みでも無かった。


「それっ!!」


俺は左手に有るショートソードを投擲した。


投げたショートソードがレイスの頭に突き刺さると一体目が霧と成って消える。


そして俺はレイスの群れの中に飛び込む。


「おおらっ!!」


ロングソードでの袈裟斬りで二体目を滅する。


更に逆水平の剣技で三体目の首を跳ねた。


ここでレイスの反撃を食らう。


「のわっ!?」


俺の身体が急に重たくなる。


まるで全身に重力変動を食らったような感じであった。


経験有るぞ、この感覚は!!


「これはマジックプレスだな!?」


更に別のレイスも俺にマジックプレスを掛けて来た。


「のわわわっ!」


重い!!


流石にマジックプレスのダブル攻撃は重いわ!?


これはキツイぞ!!


あー、俺がマジックプレスで足止めされてる間にさ、目の前のレイスくんが、か◯はめ波っぽくファイアーボールを溜めてやがるわ~。


しかもレイス三体が並んでかめ◯め波ですわ~。


いくら耐火抵抗が強い俺でもファイアーボール×3って耐えられるかな~……。


ちょっと怖いけど………。


こいやーー!!!


撃ってこいやーー!!!


そして、チュドーーーーンって撃たれました。


三発同時にファイヤーボールをぶち込まれましたがな。


三つの火球が炸裂して次々と爆発した。


だが───。


俺は燃え上がる爆炎の中から飛び出してレイスに斬り掛かった。


口から吐く煙が目に入って染みたけれど、左右の袈裟斬り二連発でならんでいたレイス二体を斬り伏せる。


残るは三体だ。


「えい!」


ダガーの投擲で、ブッスリと一体撃破。


これで残るは二体だ。


「ライトニングボルト!」


電撃魔法で一体撃破。


残るは最後の一体。


「ウェポンスマッシュ!」


よーーし、ザックリパッカリと斬り裂きましたぜ!!


最後の一体を倒したぞ。


霊体たちが霧と成って消えて行く。


「ふぅ~~」


俺は溜め息を吐いた。


流石に少しキツかったかな。


レイスを同時に七体は、ちょっぴり辛かった。


「セルフヒール……」


俺はファイヤーボール×3で受けた火傷を治療魔法で癒した。


「さてと──」


この部屋は攻略かな~。


『ヒヒィ~ン』


馬?


あー、忘れてた……。


また、馬の鳴き声か?


んん、パカラパカラって蹄の音が!!


うわ、騎馬兵が走って来たぞ!!


黒馬に黒甲冑を着込んだ騎士だ。


左手に黒いカイトシールド、右手には黒くて長いランスを翳してやがる。


もしかして、あれがデスナイトバーサーカーですか!?


ちょっとイメージしていたのと違いますね。


俺はオーバー◯ードのデスナイトをイメージしてたから、騎乗しているなんて考えてもいなかったわ。


そうだよね、ナイトなんだから騎乗してても可笑しくないよね。


むしろ馬に乗ってるほうが騎士として格好いいよね。


でも、バーサーカー感は無いよね。


うわ、突進して来るぞ。


ランスを前に突き出しながら姿勢を低くして、全開全力で馬の速度を上げて来ましたがな。


完全にランスで俺を轢き殺すように串刺しにする積もりですよね!!


魔◯村のようにランスを投げる間違ったプレイなんてしませんよね!!


『ヒヒィ~ン!!』


『ウリリリリリィィイイ!!!』


ウリリリリィィって、そこだけバーサーカーかよ!


うわ、でも、迫って来る威圧感が半端ねえな!!


こわっ!!



【つづく】

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