ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。

ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態OK=絶賛連載中÷微妙に癖になる。
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第200話【コカトリスの戦利品】

公開日時: 2020年12月21日(月) 22:01
文字数:2,448

杉林の中で目を覚ました俺は、寝袋の上に川の字になって覆い被さっていた三匹の狼を押し退けてから寝袋を出た。


通りで寝苦しいわけだ。


大型の狼が三匹も俺の上に乗っかって寝てやがるんだもの、流石に重いわけだよね。


かなり寝苦しかったぞ。


でも、温かかったな~。


それにしてもこいつら三匹は、本当に人懐っこいよな。


マジで可愛いわ。


「んん~~~」


俺は両腕を上げて背伸びをした。


すると寝坊助な狼たちも目を覚ます。


「よしよし、朝だぜ、お前たち。起きたか?」


俺が狼たちに話し掛けると三匹は、ハァ~ハァ~と言いながら目の前にお座りをした。


懇願する眼差しで俺を見ている。


「よーし、朝飯にするか!」


「「「ばう!」」」


三匹の狼が揃って返事をした。


俺は異次元宝物庫からコカトリスの肉を取り出すと、いきなり頬張った。


「温かいな。本当に異次元宝物庫内は時間が止まってるんだな。昨日の夜に焼いたままの暖かさだわ……」


本当に異次元宝物庫内の時間が静止しているなら、中で働いている亡霊はどうなるのだろう?


んー、まあ、考えても分からないからいいか。


考えるのを止めた俺は、お座りしながら律儀に待っていた狼たちにコカトリスの肉をあげるとステータス画面を開いた。


レベルアップをしたが、まだ新スキルのチェックをしていないのだ。


それに石化された冒険者からガメたマジックアイテムすら鑑定していない。


そんなわけでコカトリスの肉にかぶり付きながら、いろいろとチェックしようと思う。


では、まずは新スキルからだ。


おっ、二つ新しいスキルを覚えているな。


どれどれ~。


【受け身スキル。投げられた時に受け身が取れて、ダメージを軽減できるように成る】


あー、これは……。


二回もスカル姉さんにジャーマンスープレックスを食らったもんな。


このスキルを覚えるのは必然なのかもしれない……。


まあこれで、ガンガン投げられても大丈夫だろう!


さて、次の新スキルは?


【追跡スキル。足跡などを見つけて、対象を追跡や探索ができる】


おお、これは役立つスキルが来ましたね!


これがあれば今回みたいな追跡ミッションも楽にこなせるぞ。


まあまあ今回の新スキルは良かったな。


さて、次は戦利品だ。


石化された冒険者から剥ぎ取ったのは、六人分の装備品と、僅かなお金に、マジックアイテムが四つだ。


残りの装備品は雨風に晒されて風化していた。


使い物にならないほどにボロボロだったので諦めたのだ。


あと、魔法のスクロールが一枚だけかな。


まあ、持ち金も少なかったから、マジックアイテムも期待できないだろう。


貧乏パーティーだったのかな~。


そんでもってマジックアイテムは、ショートソード、リングメイル、ウッドスタッフ、銅製のサークレットだ。


さて、じゃあ一気に鑑定をしちゃおうかな~。


【ショートソード+1。攻撃力小向上】


【リングメイル+1。防御力小向上】


【ウッドスタッフ+1。魔力小向上】


【カッパーサークレット+1。体力向上】


うわ、何このハズレの山は!?


全部プラス1で、三個は小向上ばっかじゃあねえか!?


こりゃあ全部売りだな~……。


まあ、石化した冒険者から剥ぎ取った代物だもんな。


所詮はこんなもんだろう。


贅沢は言えないか……。


あっ、そうだ。


このカッパーサークレットは放火魔のバイマンにあげようかな。


あいつさ、体力が無くて困ってたもんな~。


これを装備したら少しは体力が付くだろうさね。


あとは、スクロールが一枚残ってたか。


これも鑑定しよう。


【魔法ウィル・オー・ウィスプ。光の精霊を召喚して、簡単な指示を与えることができる。一日にレベルが10おきに一体召喚できる。召喚時間は術者レベル|×《かける》3分程度】


おやおや、新魔法じゃあ、あーりませんか~。


これはサマナー魔法かな、シャーマン魔法かな?


まあ、どっちでもいいか。


どうせ俺は全部習得できるんだからさ。


よし、早速覚えて使ってみるか。


俺はスクロールを消費して魔法を習得すると、すぐさまウィル・オー・ウィスプを召喚してみた。


すると輝く光の玉が、俺の手の平から浮かび上がると宙をフワフワと舞う。


おお、けっこう明るいな。


マジックトーチほど明るくないけれど、これなら手がフリーになるぜ。


でもレベル×三分かぁ~。


今の俺だと約一時間程度で二回だな。


その辺がマジックトーチより不便だな。


まあ、これは使い分けしだいで役に立つ魔法だわ。


ある意味で、今回の報酬はウィル・オー・ウィスプが一番良い報酬だったかも知れないぞ。


よし、ラングレイのところに帰って依頼の報酬でも貰いましょうかね。


俺は狼たちに指示を出す。


「狼たちよ。俺の臭いを辿って村まで帰れるか? OKだよね?」


「「「ガルッ!」」」


三匹の狼が吠えて答えると、林の中に走り出す。


「はや、ちょっと待てよ!!」


俺は藪の中を走って狼たちを追った。


あいつらちょっとはゆっくり走りやがれよな!!


幾ら俺の足が速くても、こんな藪の中じゃあ狼に勝てるかよ。


ついて行くだけでやっとだわ。


それでも俺はラングレイのログハウスに帰れた。


俺が狼を連れて帰って来ると、薪割りをしていたラングレイが驚きの声を漏らす。


「おまえ、生きとったんかい……」


「ああ、まあね~」


「その狼たちはなんだ……?」


「ペットたちだ」


「コカトリスたちはどうした……?」


俺は異次元宝物庫からコカトリスたちの首を次々出しながら答えた。


「四匹全部狩ったぜ」


「凄いな、おまえ……」


「まあね~」


俺が自慢気に言うと、ラングレイが訊いてきた。


「なあ、コカトリスが石化したヤツらの中に安物のサークレットを付けてたヤツが居なかったか?」


あー、俺がサークレットをガメたヤツだな……。


サークレット欲しさに俺は、ついついウソを付く。


「さあね、そんなヤツは見当たらなかったぞ……」(超棒読み)


「そうか、残念だ。まあ、だいぶ昔に行方不明になってるからな……。アイツは……」


「それは誰だい?」


「死んだ妻の弟だ……」


「そ、そうなんだ……」


ヤバ……。


サークレットを返すタイミングを見失っちゃったぞ……。


ま、まあ、いいか……。


ガメとこ……。



【つづく】

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