ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。

ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態OK=絶賛連載中÷微妙に癖になる。
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第155話【黄金剣のセルバンテス】

公開日時: 2020年11月23日(月) 15:39
文字数:2,287

セルバンテスミイラが盾の中から召喚したシルバーウルフ三匹が俺に向かって走り出した。


三匹とも敵意満々ですな。


はーい、俺はロングボウを異次元宝物庫に仕舞いまして、からのーー!


代わりに【エクスフロージョンスタッフ+2。爆発系魔法の範囲向上。爆発系魔法の破壊力向上】を出しまして、構えます。


指の一つには【ファイヤーボールリング+2。ファイヤーボールが一回使える。ファイヤーボールが一回使える】が装着されておりますがな。


「食らえ、ファイアーボール!」


シルバーウルフに飛翔したファイアーボールが爆発した。


「どぉーーわあ!!」


凄い爆風がシルバーウルフを包んだが、爆風が俺にまで届いた。


危うく俺まで吹き飛ばされるかと思ったぜ。


エクスフロイダー・プロミスの爆発力を見ていたから、大体の範囲は推測していたつもりだったけれど、想像以上に爆発範囲が大きかった。


だが、しかし、念には念をいれて爆風の中に更なる一発を投げ込んだ。


「ファイアーボール二発目だ!!」


爆風の中から更に爆風が吹き荒れる。


これでシルバーウルフはやっつけただろう。


俺は爆炎を見ながら異次元宝物庫にエクスフロージョンスタッフを投げ込むと、代わりに【ロングソード+2。攻撃速度向上。アンデッドにダメージ特効向上】と【マジックメイス+1。クラッシュウェーブが一回使える】を取り出した。


右手にロングソード、左手にマジックメイスの二刀流だ。


俺は爆炎がやむのを待った。


床一面が燃えている。


俺が炎を眺めていると、燃え盛る炎の中からセルバンテスミイラが歩み出て来た。


セルバンテスミイラの歩みに合わせて周囲の炎が消えて行く。


彼は微塵にもダメージを受けている様子は無い。


「凄い冷気だな……」


しかも、セルバンテスミイラの陰から焼け焦げたシルバーウルフが姿を表した。


あら、まあ、生きておりましたか狼さんたち……。


でも、一体は減ってるな。


一体は倒せたみたいだし、残った二体も随分とダメージを受けてますね。


そして負傷したシルバーウルフ二体が走り出した。俺に迫る。


「こな糞が!」


俺は左手のマジックメイスを振りかぶった。


それで足元の床を叩く。


「クラッシュウェーブ!」


叩いた床から衝撃破が波となって沸き上がった。


魔法の波がシルバーウルフを飲み込みながらセルバンテスミイラに迫る。


シルバーウルフ二体はセルバンテスミイラの後方まで飛ばされた。


そして霧となって消えて無くなる。


だが、セルバンテスミイラはよろめきすらしていない。


完璧な魔法防御かな?


ならば!!


俺は異次元宝物庫にマジックメイスを仕舞うと左手を向けた。


「マジックアロー!」


魔法の矢が飛んで行くが、セルバンテスミイラに着弾する寸前で霧のように消えて無くなる。


完璧なレジストですか!?


なんですか、こいつは!?


魔法や飛び道具は無効ですか!?


インチキ臭いよね!!


これだから高レベル冒険者ってチート臭いとか言われるんだよ!!


なんか戦うの面倒臭いな。


戦うのやめよっかな。


えっ?


なんかセルバンテスミイラさんが、枯れた頬肉をバキバキ裂けさせながら、やたら一杯に口を大きく開いて来ましたよ。


何をしていますか?


なんか、口の中で真っ赤な魔法陣が輝いてませんか?


魔法を撃つきですか?


『お♯っ■►◇ぃ◈!!』


チュドーーンと口から波動砲を撃って来やがった!!!


ド太い波動ビームが俺に迫る。


俺の体を丸ごと巻き込めるサイズの飛翔光ですわ!!!


俺は必死に飛んで波動ビームから逃れた。


横っ跳び一線のヘッドスライディングで回避する。


こわっ!!


俺は腹這いから立ち上がる。


そして、俺が立って居た場所を眺めた。


「なんつう破壊力ですか……」


そこには抉られて削られた傷跡が床に残っていた。


長々と一直線にだ。


駄目だな、こりゃあ……。


遠距離戦は無理だ。


こっちの攻撃は効かないのに、向こうは超破壊力ですよ。


もう無理無理無理ですわ。


俺はロングソードを構えて走った。


セルバンテスミイラに接近戦を仕掛ける。


遠距離戦が無理なら接近戦しかないだろう。


「うらぁ!!」


俺はアンデッド専用のロングソードで斬りかかる。


だが、初弾の一打目はシールドに容易く弾かれた。


そして、盾の裏から黄金剣の刀身が飛んで来る。


光輝く一太刀だった。


俺もその一太刀を左腕に装着されたバックラーで受け止める。


しかし、凄まじい衝撃が身体全体に響いた。


ズシンと重い衝撃だった。


全身の骨が軋みそうに悲鳴を上げていた。


そしてバックラーごと左腕が俺の脇腹にめり込んだ。


「ぐっが!!」


俺の体がくの字になって横に吹っ飛ばされる。


「がはっ!!」


うわ、消化された朝食が逆流してきそうだったわ。


やばい、倒れる!!


俺は右足に力を込めて踏ん張った。


うーーぬ!!


我慢からのーー!!


袈裟斬りだ!!


だが、それも容易く躱された。


セルバンテスミイラは躱すと同時に膝を俺の脇腹に蹴り入れる。


「うぷっ!!」


俺の体が後方に飛んだ。


この野郎、攻防一体の動きが鮮やか過ぎませんか!?


こりゃあ、倒れますよ。


俺は尻餅を付いたあとにゴロゴロと転がった。


二回転してからスクリと立ち上がる。


俺は剣を構えて凛々しく振る舞ったつもりだったが、完全に目が回り吐きそうな感覚であった。


やばいわ……。


こいつは強いよ……。


正面から堂々と戦って勝てる相手じゃあ無いぞ。


マジでやばいぞ。


俺は踵を返して走り出していた。


逃走──。


とりあえず、逃げる。


作戦を考えなくてはならない。


策して企まなくてはならんだろう。


実力の違いは知恵と勇気で埋めなくてはなるまい。


そう自分を正当化しながら俺は走った。


恥ずかしいとか、卑怯とか言ってられませんがな!!


死んじゃいますよ!!


マジでさ!!



【つづく】

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