ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。

ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態OK=絶賛連載中÷微妙に癖になる。
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第37話【牢獄地獄】

公開日時: 2020年9月19日(土) 13:35
文字数:2,676

ウルブズトレイン事件のあとに俺は逮捕された。


戦いの中で威張り腐りながら指示を飛ばしていた警備隊長だと思われる髭オヤジに笑顔で言われたのだ。


「おまえ、なかなかやるな~」


「そっスか~」


「ああ、その若さで凄いよ」


「褒めすぎですよ~」


「じゃあ、両手を前に出して」


「はい?」


「両手を縛るからな」


「なんで?」


「逮捕するからだよ」


「マジで……」


そんなこんなで今俺は牢獄に居ます。


地下一階ぐらいに在る牢獄だ。


武器や防具は没収されたがフード付きローブまでは取られなかった。


牢獄と言っても留置場に近い間取りですかね。


広さは十畳ぐらいだろうか。


背後だけがブロック塀で、三方は鉄格子である。


そのような部屋が四室連なっていた。


俺の居る檻にはこっ汚い酔いどれ爺さんが一人寝て居る。


酔っぱらっているのか鼾がうるさい。


だが、それ以上に問題は両サイドの牢獄である。


流石はソドムタウンの留置場であると思った。


俺が居る牢獄の両サイドの部屋には、明らかに風俗嬢と思われるお姉さんがたが沢山留置されていた。


綺麗なボディーに、きわどくセクシーな洋服を身に付け、魅惑的な胸や太股を晒し、時折からかうように声を掛けてくる。


まさに地獄だ!


糞女神の呪いのせいで地獄である!


呪いがなければ牢獄内でもパラダイスのはずなのに!!


俺は身を震わせながらローブのフードを深くかぶり、牢獄の中央で正座をしながら呪いに耐えていた。


どっちの壁際にも寄れないのだ。


右に寄れば若くて魅惑的なお姉さんに暇潰し気分で茶化され、左に寄ればセクシーで豊満なミセスにいろいろ弄られる。


どっちに寄っても地獄だから、部屋の中央に避難していたけれど、両サイドからやっぱり茶化され弄られる。


兎に角、地獄である!


右の牢獄から娼婦のお姉さんが声を掛けて来た。


「ねぇ~、坊やぁ~。そんなところに居ないでこっちきなよ。お姉さんと遊ばない~」


今度は左の牢獄から娼婦のミセスが声を掛けて来る。


「あらあら、ねえ、僕ぅ。私が天国に連れてってあげましょうか?」


俺だって遊びてーよ!


俺だって天国に行ってみてーよ!


だけどな、だけどな!!


俺は心中で血の涙を流しながら呪いの苦痛に耐えていた。


「ねぇ~、ここでお姉さんがしてやろうかぁ~」


「あらあら、僕ぅ。どうせなら私のを使わないかしらぁ?」


きぃーーーーーーー!!


らめーーーーーーー!!


この作品は性的描写有りにチェックが入っていないし15禁でも無いんですよ!!


それ以上の発言はアカンのですよ!!


てか、もう胸が痛いわ!!


心臓が破裂しそうですわ!!


やーめーてー!!


とーめーてー!!


「うわぁ~、かわいい坊やぁ

だことぉ~。震えちゃってさあ~」


「あらあら、僕ぅ。もう我慢が出来ないのかなぁ。震えているしさぁ。ここで出しちゃうのかしら?」


「わお、出しちゃうのぉ~」


出ねえーよ!!


何も出さないよ!!


出したら完全にアウトじゃんか!!


何を出しても報告されて終りですよ!!


強制非公開の刑ですよ!!


もう、痛いんですよ!!


震えるほどに痛いんですよ、呪いがさ!!


俺がちやほやとお姉さまがたに構われているのを檻の外で眺めている警備兵のおっさんが、詰まらなそうに鼻毛を抜いている。


助けてください!


もう反省しましたから、この牢獄がら出してください!!


てか、早く事情聴取とかを別室でやってください!!


なんでもゲロりますからさ!!


お腹が空いてるからカツ丼も食べたいしさ!!


兎に角早く何とかしてくれ!


このままただ牢獄にブチ込んどくだけの放置プレイの刑はやめてください!!


それが一番の懲罰ですからさ!!


保釈金なら払いますから!!


なんぼでも払いますからさ!!


このお色気地獄から解放してください!!


もう気絶寸前ですよ!!


ああ、マジで目眩がしてきた……。


おっぱい怖いよ……。


そんな感じで俺が気絶しそうになった直後である。


上からの階段を下って知った顔の人物が二人現れる。


それは、髭面の兵士長とスカル姉さんだった。


俺には二人が神様と女神様に見えた。


背後に後光が差して見えるぐらいである。


二人は話ながらこちらに近付いて来た。


「まさかお前さんが、あの坊主の身元引き受け人として来るとは思わなかったぜ。ドクトル・スカル」


「アイツにも困ったもんだわ……」


「で、お前さんとあの坊屋は、どう言う関係なんだい?」


「まあ、弟みたいなもんかしら?」


俺は檻に飛び付き必死に懇願した。


「スカル姉さん、早く出してくれ!!」


俺の必死な様子を見て二人がキョトンとしていた。


 呪いの事情を知らない兵士長がスカル姉さんに問う。


「どうした、この坊主。何を必死に訴えてんだ?」


「トイレにでも行きたいんじゃないの」


「なるほどね」


スカル姉さんは呪いのことを隠してくれている。


その後、俺はすんなり釈放された。


檻から出された直後に俺は、スカル姉さんに抱き付き泣きじゃくる。


「怖かったよ~、痛かったよ~。死ぬかと思ったよ~」


そんな俺の姿を見て、檻の中の女たちが揶揄する。


「なんだぁ、愛妻が居たのねぇ」


「あらあら。あれ、お母さんじゃないの?」


情婦の一言が逆鱗に触れたのか、スカル姉さんが俺を殴り付けながら引き離す。


それから怒鳴った。


「誰がお母さんだ!?」


「ほらぁ、やっぱり奥さんじゃないかぁ」


「妻でもねーよ!!」


スカル姉さんはプリプリと怒りながら階段を上って行った。


俺はその後を追う。


上の階の受付で、俺は荷物をすべて返して貰った。


チェックしてみたが、ガメられた物は無いようだ。


俺は先に建物を出て行ったスカル姉さんを、素早く荷物をまとめてから追っかけた。


そのまま二人は無言で診療所に帰る。


スカル姉さんは機嫌が悪かった。


娼婦にお母さんとか奥さんとか言われたのが気に食わなかったようだ。


俺はスカル姉さんの機嫌が直るように謝った。


そして、謝罪の意味も込めてウルフファングネックレスを差し出す。


「何これ、汚いわね?」


スカル姉さんに、ツンツンと言われた。


確かに汚い狼の牙だ。


俺はしょんぼりとしながら言う。


「このマジックアイテムは、今回の冒険で手に入れた品物なんだけど、スカル姉さんにあげるよ……」


「私にくれるの。高額なの?」


「視力向上の効果が有るんだ」


以前聞いた。


スカル姉さんは視力を病んでいる。


特殊魔法攻撃の後遺症だ。


それで冒険者を引退したと

──。


多分だが、目を病んでいれば私生活でも不便なことが多いはずだ。


それからスカル姉さんの固い表情が少し緩んだ。


機嫌を直してくれたスカル姉さんが、ネックレスを受け取ると俺の頭を撫でてくれる。


「ありがとう」


スカル姉さんは、髑髏の仮面の下で微笑んでくれていた。


俺もちょっぴり嬉しかった。




【つづく】

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