ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。

ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態OK=絶賛連載中÷微妙に癖になる。
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第141話【拷問】

公開日時: 2020年11月18日(水) 21:44
文字数:2,702

場所はいつも食事を取る厨房だった。


俺たち三人は、胸の前で腕を組ながら仁王立ちしている。


俺、パーカーさん、ピーターさんの順に横一列に並んでだ。


ピーターさんは裸エプロンのままだし、パーカーさんは全裸のままである。


俺たち三人は、スパイダーさんを椅子に縛り付けながら、彼の前で厳つく腕を組み、忌々しい表情で睨み付けていた。


スパイダーさんは猿轡をされて喋れないでいた。


表情は怯えて若干ながら震えている。


パーカーさんがスパイダーさんの顔に強面を近付けて言う。


「スパイダー、良く聞けよ。イエスなら首を縦に振れ。ノーなら首を横に振れ、いいな?」


スパイダーさんが首を縦に数度振った。


どうやらチャラ男も理解したようだ。


「じゃあ、質問に入るぞ」


パーカーさんが顔を離して問うとスパイダーさんが頷く。


「お前、さっき俺らが演劇の練習中に、サラリと舐めたことを言ったよな」


スパイダーさんは何が言いたいのか分からずに首を傾げた。


「忘れたかい。そうか、忘れたか……。ピーター、お前は覚えているよな?」


「イエッサー!」


「よーし、じゃあさっきスパイダーが何気無く言った言葉を言ってみろ!」


ピーターさんがスパイダーさんの物真似をしながら述べる。


「俺、メイドのアンナと付き合ってますから~。っと述べてました!」


俺たち三人が、キッとスパイダーさんを睨み付ける。


「これはどう言う意味だ。なんでお前だけ彼女ができてる!?」


「そうですよ、スパイダーさん。僕やパーカーさんに長年彼女が出来なくて寂しい想いをしているのにさ!」


俺も言う。


「俺なんて呪いに掛かってるから、エロイことも出来ないんだぞ!」


「「えっ、マジで!?」」


パーカーさんとピーターさんが驚いて、真横に立つ俺を見た。


「あれ、言ってませんでしたっけ?」


「うん、初耳……」


「俺、呪われた冒険者アスランですから!」


「それでか……。アスランくんは女の子と遊べないんだ……?」


「そうそう、だってエロイことをしようとすると、心臓が爆発しそうになるんだもの」


「それは残酷な呪いだね……」


「なるほど、デブな彼女でも幸せなスパイダーが妬ましいわけだな」


「そうなんですわ~」


「よし、では、質問に戻るぞ、スパイダー!」


パーカーさんの矛先が椅子に縛り付けられているスパイダーさんに戻った。


「お前、彼女とやってるんか?」


スパイダーさんが首を縦に何度も振るった。


「「「イラっ!」」」


俺たち三人の額に血管が浮き上がる。


更にパーカーさんの質問が続いた。


「お前はアンナと結婚するつもりなのか?」


再びスパイダーさんが首を縦に何度も振るった。


「「「イラっ!!!」」」


俺たち三人の額に浮き上がった血管の数が更に増えた。


三人は歯を食い縛り引きつっている。


完全に憤怒が露になっていた。


別にスパイダーさんがアンナをゲットしたことが羨ましいのではないのだ。


ただ他人の幸せが、悔しくも妬ましいのだ。


「なあ、スパイダー……」


言いながらパーカーさんが振り返る。


スパイだーさんに尻を向けて天井を見上げながら言う。


「この詰所の決まりは知っているよな」


スパイダーさんが静かに頷く。


なんだろう。俺は知らないぞ?


「この詰所は独身専門の職場だ。結婚したら、詰所を離れて別の勤務に付かなければならない。分かっているよな?」


スパイダーさんはコクリと頷いた。


なるほどね。


スパイダーさんがアンナと結婚したら、この詰所から出て行くのか。


「お前は、ここで一番の後輩であり、一番の年下だ。なのに結婚して出て行くのかね?」


パーカーさんは少しだけ体を動かして背後を確認していた。


そのパーカーさんを見詰めながらスパイダーさんは強く頷く。


「はぁ~、仕方がないか……。ピーター、アスラン。彼のズボンを下ろせ」


「「イエッサー!」」


「んっんっんっ!!!」


俺とピーターさんは、激しく抵抗するスパイダーさんのベルトを外すと、履いていたズボンを足首まで下ろした。


全裸のパーカーさんが踵を返して前を向く。


「もう一度訊くぞ、スパイダー?」


半裸状態のスパイダーさんは怯えながら全裸男性を見詰めていた。


「お前は、本当にアンナと結婚するつもりなのか?」


スパイダーさんが何度か頷いた。


「ピーター」


「はい、なんで有りましょう。パーカー隊長!」


「グツグツに煮込んだコーンスープをここに持て……」


「は、はい……」


裸エプロンのピーターさんがグツグツに沸騰しているコーンスープの鍋をパーカーさんに手渡した。


パーカーさんはグツグツの鍋をお玉で掻き回しながら問う。


「俺たち先輩が結婚も出来ないで、こんな隅っこで燻っているのに、お前は本当に結婚して先に出て行くのかね?」


怯えるスパイダーさんが一つ頷いた。


するとパーカーさんがお玉で掬ったコーンスープをスパイダーさんの腿の上に持って来る。


「そうかそうか~」


言いながらパーカーさんは、熱々グツグツのコーンスープを一滴だけ腿に垂らした。


「んんーーーーーッ!!!」


スパイダーさんが椅子の上でバタバタと跳ねた。


そりゃあ一滴でも熱かろう。


お玉を持ったままのパーカーさんがもう一度問う。


「本当にお前はアンナと結婚したいのか?」


スパイダーさんは鼻息を荒くしながら頷いた。


「そうか……。たらぁ~~ん」


再びコーンスープが垂らされる。


「んんんんッんんんんッ!!!!」


椅子に縛られたスパイダーさんがバタバタと暴れた。


もう顔は汗だくで涙目である。


鼻水も垂らしていたし、少しチビっているようだ。


椅子が少し濡れている。


「なあ、スパイダー。次はチ◯コに直接かけちゃうぞ」


スパイダーさんは必死に首を左右に振っていた。


もう、そろそろ心が折れても可笑しくないころだ。


「これが三度目の問いだ。お前は本当にアンナと結婚するんだな」


汗だく汁だく状態のスパイダーさんは、それでも必死に頷いた。


ああ、この人は本当におデブちゃんを愛しているんだなって思えたわ。


「そうか……」


ここまで来てパーカーさんがコーンスープを掬っていたお玉を鍋に戻した。


そしてコーンスープの鍋をピーターさんに返す。


「だ、そうだぞ」


言いながら全裸のパーカーさんは部屋の出入り口に向かって歩いた。


そして、扉を開く。


そこにはデブなメイドさんが一人立っていた。


アンナだ。


初めて見るけどアンナだと分かったぜ。


だってかなりのおデブちゃんなんだもの。


絶対にレスリングが強いよね、この女性ならばさ。


「うわぁ~~ん。スパイダー!!」


アンナは泣きじゃくりながら椅子に縛られたスパイダーさんに抱きついた。


その光景を見ながらパーカーさんとピーターさんが笑顔で述べる。


「「スパイダー、アンナ。結婚おめでとう!」」


なに、祝いの言葉ですか?


なんだよ、これ……。


茶番ですか?



【つづく】

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