ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。

ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態OK=絶賛連載中÷微妙に癖になる。
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第249話【インテリジェンス金庫の扉】

公開日時: 2021年2月4日(木) 07:33
文字数:2,435

【おめでとうございます。レベル28に成りました!】


よし、レベルアップだぜ!!


俺はなんとかガーディアンドールを撃破できた。


そしてレベルも上がったぜ。


頭を勝ち割ったガーディアンドールを見下ろしながら自分の体にセルフヒールを施す。


よし、とりあえず体の傷は癒えたかな。


俺はロングソードを一振りしてから腰の鞘に納めた。


それから扉の眼球を睨み付ける。


扉の眼球は目を見開き怯えているように窺えた。


だから俺は大きくでる。


「さーて、残るはお前さんだけだぞ」


扉の眼球は怯えながらテレパシーを飛ばして来た。


『いやいや、ちょっと待ってくれないか!』


「どう待てと?」


『ワシはただの金庫番だ、痛いのはやめてくれ!!』


「じゃあ、扉を開けて中を見せてもらえるか?」


『それはならんぞ。それをしたら金庫の扉として主に申し訳がつかんから……』


「その主はもう死んでるんだから、構わんだろ?」


『えっ、嘘……?』


「嘘って、何が?」


『いや、主が死んでるって……』


「ああ、ここを作った魔法使いは随分前に亡くなって、この屋敷ごと転売されたんだよ」


『そんなの聞いてないよ……』


「だから俺がお化け退治に回されたんだ」


『じゃあ、上の屋敷は物けの空なのか?』


「いや、ミイラのメイドさんたちがまだ居たけれど、お前が扉の中に入れてる水晶が有れば立ち退けるって言ってたぞ」


『マジで……』


「だからお前の中に有る水晶が欲しいんだ」


『そ、それは分かった。だが、主が変わるなら、ワシはどうなる。ワシもメイドたちと同様に立ち退かなければならないのか!?』


「金庫の扉のお前が立ち退けるのか?」


『そ、それは無理だろう……』


「じゃあ、新しい主と交渉するんだな。その辺は俺には関係無いからよ」


『そ、そうだよな……』


「じゃあ、金庫を開けてくれ。開けたくないなら波動砲魔法で豪快に撃ち破るぞ」


『分かった、空ける、空けるから!!』


意外に物分かりがいい金庫の扉だな。


てか、金庫としてのプライドが低いよね。


まあ、こっちは助かるけれどさ。


『空けるけどワシから条件がある。できれば願いだと思って聞いて貰いたいんだが……』


「聞くだけ聞いてやるよ。叶えるか叶えないかは別だけどな」


『わ、分かった。ならばできればでいいぞ……』


「でぇ、なんだい、願いって?」


『ワシの中にメイドたちのコア水晶が保管されているのは分かる。それは主が亡くなった段階で、権利はメイドたちに有ると言ってもいいだろう。ただし他の品物は、次の主の所有物として譲渡したいのだが……』


「その譲渡を俺が飲めば、メイドたちの水晶を俺によこすのか?」


『ああ……』


「ちょっと待ってくれ、考えるから」


どうしたものかな。


金庫が有るのに中身から貰える物はメイドたちの水晶だけになるぞ。


だが、ここで交渉を拗らせて、扉を開けて貰えなければ台無しだ。


強引に波動砲で破壊するのも手であるが、それだと中身は保証されない。


もしかしたら扉ごと中身を破壊しかねない。


それでメイドたちの水晶まで破壊したら申し訳が無いな……。


金庫の中身は間違いなく魔法使いが溜め込んだお宝がわんさかあるはずだ。


それをゲットできないのは勿体無い。


実に勿体無いぞ……。


何せこっちとら秘密基地を作るのに、予算ができるだけ欲しいのだ。


悩むな……。


ちなみに金庫内には、どのぐらいの財宝が納められているのかな?


それを聞いてから考えようかな。


「おい、目ん玉」


『な、なんでげすか……?』


「金庫内には、どのぐらい入っているんだ?」


『どのぐらいと言いますと……?』


「分かってるだろ!」


『金額でしょうか……?』


「そうだよ。金額にすると、どのぐらいの物が入ってるんだよ!」


『メイドたちのコア水晶と……』


「コア水晶と?」


『金額には換えられないほどのマジックアイテムが少々……』


マジックアイテムか~。


俺のハクスラスキルが爆発してるかな!!


まあ、落ち着こう。


「なるほど……」


『……………』


俺は満面の笑みで言った。


「じゃあ、そのマジックアイテムも俺が貰おうか!」


『ウソ!!』


「嘘じゃあねえよ。それとも扉ごと魔法でぶち壊そうか!!」


『それだとメイドたちのコア水晶まで巻き沿いで壊れるかもしれませんって言ってるじゃあないですか!!』


「どうせ手に入らないなら、壊れるか壊れないか賭けてもいいだろうさ!!」


『うわ、投げやりな!!』


「さー、どうする。壊されたいか、壊されないで扉を開けるかだ!!」


『わかりました! じゃあ、コア水晶のほかに金庫内のアイテムを一つだけ差し上げるってのでどうでしょう!!』


「えっ、なにお前、壊されたいの?」


『ワシにだって金庫としてのプライドぐらい有りますからね!!』


何ここでプライドを持ち出しますかね。


実に困ったヤツだな。


このタイミングでプライドを翳してくるってことは、折れないだろうな。


ここがこいつの一線なのだろう。


しゃーないかな。


ここはコア水晶とマジックアイテム一つで手を打とうか。


まあ、欲張っても仕方ないかな。


「分かったよ。それで合意しよう」


『あ、有り難うございます……』


感謝されちゃったよ、てへぺろ。


『あと、次の主に口添えも忘れないでくださいね……』


おっと忘れるところだったぜ。


「分かってるよ。忘れてなんて無いから安心しなってばよ」


『で、では、金庫の扉を開けますね……』


「おうよ」


すると金庫からガシャンガシャンとけたたましい機械音が響くと、ギィギィーと重々しい音を鳴らして扉が開き出す。


そして、ゆっくりと鉄の分厚い扉が開いて金庫の中を露にした。


金庫の中は2メートル四方の小さな部屋だった。


三方の壁には棚が有り、その上にはいくつかのアイテムが置かれていた。


本当に少数だ。


俺が魔法感知で見てみれば、そのすべてのアイテムが光って見える。


その中にはメイドのコア水晶だと思われるアイテムも有った。


コア水晶を除いたマジックアイテムの数は五個だ。


この中から一つしか貰えないのか……。


やっぱり全部欲しいよな……。


まあ、我慢かな……。


うん、我慢だ……。


畜生……。


我慢だ……。



【つづく】

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