ー リッチマン・ストリートにて ー
自殺事件が先週から続いている。今日フェルの朝鉢合わせた事件で3回目だそうだ。
ジョンとラヒリーは連邦捜査局を後にし、事件があったビルの中に入った。
すると小柄な受付の女性が話しかけてきた。
すみません本日は都合上このビルに入ることが出来ません。
いや俺たちはそこのシュガーランド66局のホーソンとラヒリー捜査官だ。今日はさっきあった事件について見張り捜査を命じられた。2人で捜査をする。
と、ホーソンが受付嬢に話した。
そうでしたか、わかりました。お願いします。
ではちょっと聞いていいかな?
はい。
自殺した男性との面識は?
いやないですね。実は私昨日から配属になっていています。それにこのビルは人が多いので顔と名前が一致しないんです。
なるほど、ではちょっとほかの住人にも聞いてきます。
はい。
ラヒリー捜査官行こう。
2人はエレベーターに乗りとりあえず6階に行くことにした。このビルは16階建てのビルだ。1階に受付と管理室があり、その上からは住人がいる。このビルは裕福な人が集まる。先程レナード局長が言っていた、「警察と深い関わりがある」と述べていた。それはここには有名人も住んでいたり元ヒューストン連邦捜査本部局のサンガン・C・ロマン3代目本部局長が住居していたビルでもある。それから警察や連邦捜査局でも有名で、このビルの管理人もなにかあるとよく近くの連邦捜査局を頼る。それゆえかこのビルでなにか起こると「不吉な事」などと言われるようになった。このビルは2つのベッドルームがあり、リビング、キッチン、お風呂トイレ別、家具ありなど良い物件となっている。家賃はそこまで高くなく、563.97ドルほどと言われている。だいたい7万円前後だ。
2人は6階にいくと、606号室の部屋をノックした。
すると1人の男性が出てきた。
すみません、今日の事件について詳しくお聞きしたいです。たしか父のメイソン・ベルさんでしたか?
と、ホーソンが言った。
そうです、息子が無くなって妻は倒れたました。
そうでしか……。
ベルさん、息子さんにはお悔やみ申し上げます。少し話をお聞きしてよろしいですか?
そうラヒリー捜査官が話す。
ええ、大丈夫ですよ落ち着きましたので。
では息子さんのダニエルさんについてですが言動や行動などでなにか奇妙な事やなにか不可解なことはありましたか?
実は今朝の事件で身元が分かっていて、こちらのベル宅の息子さんのダニエル・ベルという男性で20歳だと言う。刑事によると、幾つか体にアザや怪我をした箇所もなく、家庭内暴行の線が薄く死因が自殺のみとなった。刑事から引き継いだラヒリー捜査官、ホーソン捜査官は死因と自殺を見張る役目を命じられた。
ダニエルの父メイソンが話した。
いえ、そんなことは無かったです。ですが少し引きこもりではありましたが、そんなに課題ではなかったです。
引きこもりですか? なぜですか?
と、ラヒリー捜査官が問う。
ええ、実は大学受験が失敗しまして引きこもりに、そして仕事もせず浪人して今年やっと大学生になりました。
なるほど、嬉しいことがあるのにこの件が起きたと、わかりました。
この話を聞いて少し父のメイソンは目を泳がせていた。
次に質問をした。
ベルさん、いま5月ですが息子さんのダニエルさんは大学に通ってましたか?
とジョンが言う。
あ、はいもちろんです。ね、念願の大学生ですから。友達もできていたそうです。
なるほどとジョンが頷いた。
するとラヒリー捜査官が話した。
すみませんが妻のソフィア・ベルさんは先程倒れたと伺いましたが、今の状態はどんな感じですかね?
とラヒリー捜査官が話す。
えーと、それは、もう話を聞いてふらりと玄関で倒れましたので私が担いでベッドに寝かせました。いま横になってます。
なるほど。
では少し中を調べてもよろしいですか?5分ほど大丈夫ですか?
とラヒリー捜査官が言う。
え!? あ、ダメです。妻がまだ寝てるので。
少しだけですよ? なにかあるんですか?
いえ何も無いです。中にお入りください。
ありがとうございます。行こうホーソン捜査官。
わかった。
2人はベル宅の部屋の中に入った。
中に入ると、メイソンが言う。
あの、少しここで待っててください。妻がどんな様子か見てきます。
わかりました。
そしてメイソンはベッドルームに入った。
するとラヒリー捜査官がジョンに話した。
ホーソン捜査官、ちょっと気になることがある。
お父さんについて?
そうだ、なにか臭くないか? 少し聞き耳立ててみるか?
そうだな。
ラヒリー捜査官がベッドルームの扉に耳をつける。
中ではどこか荒ぶっている声が聴こえる。
ラヒリー捜査官はジョンに「中に入るぞ、準備しろ」とジェスチャーでサインをして指示をした。
2人は腰の銃に手を当てつつ、ラヒリー捜査官は扉を思いっきり体当たりして扉を開けた。
2人ともなにしてる!
その光景は、普通に妻とメイソンが会話している様子だった。
なに? ベルさんどういうことですか? 倒れて話せないはずの妻がなぜ元気なんですか?
それにびっくりしてメイソンは目をデカくする。半魚人みたいだ。
え、えと!? これには訳が。
言い訳なら2人とも局に来てもらおうか?
それだけは……。
そうも言ってられないぞ! 息子さんになにをした?
とラヒリー捜査官が言う。
それは、あいつはニートで浪人大学生だしウザかったんだ。だから軽く罵声しただけなんだ。
はあ、2人とも局に来てもらう。あなたたちには黙秘権がある。あなたたちの供述は法廷で不利な証拠として扱われるおそれがある。息子の自殺教唆の容疑で逮捕する。
とラヒリー捜査官が言う。
すると2人は妻とメイソンを手錠して刑事に渡すため局にむかった。
刑事が来るまで取り調べ室にも行くのだが、ここでもっと事件に関してハッキリするだろう。
息子さんにあった出来事を。
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