シュガーランド

連邦保安官局
Kay.
Kay.

8話 シンコ・デ・マヨ1-2

公開日時: 2023年1月17日(火) 02:51
文字数:3,372


66局内では普段は、清掃員が廊下や局内を綺麗にするために掃除をしている。


局長室にて誰かがノックした。レナード局長が応える。


はい、どうぞ。


失礼します、今から掃除をしますね。


そうか、私は頼んでないがな。魂胆は丸見えだぞレイエス。君だろ。


なに? 誰ですか?


とぼけるな、レイエスお前は私のこの「第五の山」を盗りに来たんだろ?


と、レナードはお掃除係に第五の山を見せる。


ああそうですよ、レイエスです! まったくすぐバレるとはね! 髭も付けたし、このいかにも清掃員の服装も着替えたし、帽子もしてるのに。


そんなので騙せるとでも? いいかレイエス、私はこれから会議がある。見ていろ。


とレナードは立ち上がり、偽清掃員をバカにした顔で机の下にあるお手製の青い金庫にしまい、鍵をした。そして、その鍵をレナードはポケットの中にしまった。


おい、レイエスこの机の下に小さな金庫がある。その南京錠の鍵はこの私の右ポケットの中に入っている。そして、私はこれからこの局長室を出て連邦捜査局会議があるため、暫く会議室で会議をしてくる。その間盗ってみろ。まあ、鍵は私の懐にあるし、無理だがな。フハハハ( ´•౪•`)


なんだと! くそ! 見てろよ!


そして憎きレナードは会議室へと向かって行った。


レイエスはニヤニヤしていた。


30分後に外で喧嘩を抑えてきたデルバート部長とディーナが局に帰ってきた。


やあフェルス、対決はどうだ?


と、ディーナがフェルスに話す。


局長が金庫に本監禁して、会議に向かった。金庫には南京錠。


なるほど、面白そうね。


ディーナもなぜかニヤニヤしていた。


フェルス。


ディーナ。


2人はお互い顔をみてニヤニヤする。悪さをしようとしているチンパンジーみたいだ。


そしてあれから1時間後、会議から局長が帰ってくる。


やあレイエス、仕事か? 南京錠のほうは進んだかな?


いえ、まだですよ?


うむ。早く盗らないとあと44分で24時、つまり零時になってしまうぞ?


そうですね、ふふふふ。


その笑いは?


なにもないですよ? ちょっと外仕事してきます。やる事があるので。


なんか怪しいな。


と、ふと金庫をみに局長室に入る。金庫を見ると特に変わったことはない。壊された形跡もない、南京錠も壊れてない。局長はホッと少し安心する。


すると、上のダクトから「カ〜 カ〜 カ〜」とカラスの鳴き声が聴こえる。


ん? 何だ? 換気扇? ダクトの中から変な音が。


と、換気室に向かう。


局長はぱっと上をみると、小さな脚立に乗ってカラスをダクト内にいれるフェルスの姿をだった。


何をしている? レイエス?


これはこれはレナード局長、ここでなにを?


何をしているのかと聞いている。局長室の上から奇妙な鳴き声が聞こえた。おい、まさかその黒い物体はあいつか!?


そうです、あいつです。


なんて事だ! 獰猛なアイツらをどうやって!?


手です。あとがしって捕まえて袋に入れました。


なんだと!?


その代わりこうなりました。


と、局長に手をみせる。


うわ、気持ちわる。血だらけじゃないか。


フハハハ!


付き合いきれん! 局長室に戻る。そのおぞましいものを片付けれろ。


もうカラスはいません。


まじか……。


それと、ちょっと聞きたいことがあるんですけど。


聞きたいこと? いいのか? レイエス、その間に対決は私の勝ちだ。


そうですね。仕事の話なんでしょうがないです。そうですね、あそこの男子トイレはどうですか?


と、2人は男子トイレに入った。


レイエスは、辺りを確認する。


大丈夫です。糞してるやつはいません。


汚い言葉を言うな。なんでトイレなんだ?


だって昔から秘密の話と言ったら、トイレでの密会でしょ。


うむ。まあたしかに1番話やすい場所ではあるな、監視カメラもないし、人が居なければ密会の場だ。一理ある。それで? どんな話だ?


そこからレイエスはあるハンバーガーショップでの食い逃げ犯人の話をした。


ほう、それで?


その犯人を捕まえたんですが、この書類にここでサインをして欲しいんです。


ここで? わかった。


そういうと局長はポケットからボールペンを取り出し、書類に記入をした。


これで、いいか?


はい、あとですね、もう1つこの書類にサインを。


これは?


これは、この犯人を刑事に引き渡すことを容認するための書類です。


わかった、サインをしよう。したぞ。これで局長室に戻る。あと1分でチャレンジが終了するのでね。私の勝ちだな、レイエス。


フハハハ!! それはどうかな?


なに?


なんでここにいると思いで?


勝ち目がないから引き伸ばして忘れさせようとしている。


違います。その前にその扉開けてみてください。


なんだと?


扉の前でディーナが、「第五の山」を持って立ってます。俺の計画が進んで成功していればですが。


と、局長は扉を開ける。するとディーナが居てなんと「第五の山」を持ってニヤニヤしている。


これは?


4、3、2、1。はい、僕の勝ち。


どうやって?


ではそれを教えましょう。


まず、最初に4時間前、あなたはこのチャレンジを宣言、そして約47分後に本を金庫に南京錠で鍵をして会議に行きました。


ああ。


そのあと思いついたのは清掃員です。


すぐにバレたがね。


そう、すぐにバレました。でも知ってますか? 今日は土曜日です。清掃員は?


いない。


そうです。なので、自宅から近い清掃員、トレーのお宅で服を借りました。もちろん、条件つきです。


条件?


それはまたあとで話します。続きを話します。局長に見つかったあと、なにか貴方を連れ出せないかと考えました。そこで考えたのがさっきのカラスです。局長はカラスが嫌いですから。


なぜそれを?


パソコンです。会議に言ってる間、局長の垢から妻のロラにメッセージしました。「夫である私の嫌いなものを再認識させてほしい」とね。すると、1番最初にでたのが、カラスでした。てか、イチジクとアボカド苦手なんですか?


それはどうでもいい。続きを話せ。


わかりました。そのあと俺はカラスを捕まえてはいません。そう思わせた。


なに?


さすがに本物を捕まえるような技術はもってません。鷹匠でもないんで。ちかくのペットショップ用品店でカラスの鳴き声がする立体的でカラスそのまんまのリアルなおもちゃを買いました。嫌いな鳴き声がしたら飛んでくるのは分かってました。血は血のりです。そしてさっきのくだりです。


なるほど。でもどうやってパソコン開いた?


パスワードですか? あんなの簡単です。局長のような機械に鈍感で昔ながらの人間は同じパスワードを使いがちです。それも自分の誕生日や妻の誕生日とかね。それは誕生日と車のナンバーで0126666でした。俺の推理が正しければ、この666は妻の誕生日ですね。


あ、なるほど、たしかに。それはいい線だ。合ってる…… かも。


そして、戻ろうとする局長を引き止めて、ここにやってくる。あとはこの書類の出番で長引かせる。その間ディーナに金庫を任せました。

彼女は金庫破りの鬼と呼ばれた人です。


でも鍵がなければ無理だろ。


いえ、KGB破錠を使いました。


なるほど、そのままやったのか。


そうです。そして溶かして、時間内にディーナがここにやって来て、このチャレンジは終了です。俺が計画しました。というこで、わかってますよね。


なるほど、まさかな。行こうか。ところで、清掃員の条件とは? ディーナはなぜ力を貸した。


その条件は、給料5%upです。よろしくね、レナード局長どの。ディーナは、局長の負けた顔を見たいのと、今度ディナーに行って奢ることです。それで手を貸してくれました。


なるほど、まったく。



その夜、バー「Smith 」にて。


そこにはデルバート部長やディーナたち、局のメンバーたちが集まりお酒を嗜んでいた。


そこに局長とフェルスは話した。フェルスは赤と金のマントに王冠身につけ、お酒を持っている。


みんな聞いてくれ!この争奪戦は、対決はフェルス・レイエスの見事な計画により勝利となった。乾杯だ!


と、局長は言う。


あ、1つ忘れてますよ。


そうだった。このフェルス・レイエスは局内でこの局でもっとも素晴らしい優秀な捜査官だ。


Foooooooo!! と辺りは盛り上がっていた。


ありがとう! みんな! おれは最強だ!!


フェルスはこの日高揚感と自分の見事な勝利にすっかり興奮し、自分に酔ってしまったあげく酒にも酔われ次の日は二日酔いだった。


こうして、シンコ・デ・マヨで起きた対決、2人の争奪戦はフェルスの勝ちで幕をとじた。




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