赤い車輪の歌

~狂詩曲~ポエム~詩~
丸我利伊太
丸我利伊太

黒い糸

公開日時: 2021年8月28日(土) 17:30
文字数:302

黒い雲 黒い月 黒い糸

黒い雲 黒い月 黒い糸


そこには光はなかった

ただ俺は地べたにはいつくばり

ひとりのたうち回っていた

俺は無性にさびしかった

何か恐ろしいことが起こるのか

それとも起こった後なのか

俺は何かを忘れていた


黒い雲 黒い月 黒い糸

黒い雲 黒い月 黒い糸


目の前に誰かがいた

それは俺の父親と母親だった

父親は俺にこう言った

「義男、お前をいたぶるのは

 楽しかったよ、

 お前が悲しむ顔を見ると

 笑いがこみあげてくる、

 ハハハハハハ」

母親は俺にこう言った

「わしは自分がかわいいんじゃ

 お前もそうだろ

 自分がかわいいだろ」


黒い雲 黒い月 黒い糸

黒い雲 黒い月 黒い糸


俺の親は子供を虐待してきたんだ

楽しいんだよ

子供をいたぶるのが


楽しいんだ… 楽しいんだ……

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