……とういうことじゃよ。老騎士は誇り高くも滔々と述べたのだった。
(´・ω・`;) 話が長かったでござる(たいくつ)
老騎士が言ってきたのは、王国はいみじくも拙者たちの【領地】を認めてやるし【爵位】をやるから【租税】と【貢物】と【賦役】を課すとのことでござった。
(´・ω・`)ノ そんなものいらないブヒ! 爵位やいろいろもろもろ返上で!(きっぱり)
拙者たちは、すぐに【爵位】と【領地】の返上を願い出た。
するとじいさん騎士はみるみる真っ青な顔になっていった。
「…そんな馬鹿な、大変な名誉ですぞ! 子爵様……。」
ブタの中身がただの中学生なのは、知るはずもない人の発想としては正しかったのかもしれない。
「いりゃなぃぶひぃぃ~!」
「ぽこぉ~!」
「うさぁ~!」
3匹で吠え立てると、じいさん騎士はどこやらへ大急ぎで走り去っていった。
……数日後。
ポカポカ日和の中、拙者たちはいつものようにサケマス漁(釣り)に精を出していた。
「ぽこぉ~♪」
「うさっ♪」
「ぶぃっ♪」
晴れ渡る空の下、三匹ともご機嫌なのんびり日和だった。
ご近所に住んでいるクマの若夫婦が干物にしたり西京漬けに加工してくれるのだ。
とればとるほどオイシイ!
そんなところへロバを連れた老騎士が再び訪れてきた。
「もし……」
拙者たちは無視をした。
『中身が中学生で外身がブタだってわかる。きっと彼の鎧の下はトンテキが食べたいだけの狼でござる。』……と。
「……お頼み申す……」
悲嘆にくれた老人の顔のしわが汗で滲む。
「……この、この通り……」
言葉を絞り出し、老人は膝を折り、そして額を母なる大地に擦りつけた。
「娘の……、娘の生活がかかっており申す……。」
すでに拙者たちの空虚な意地は崩れていた。
どうやら拙者たちの返上申し出により、拙者たちは【軍役】なるものを負担するだけでいいとのことになったでござる。
無血で手に入る拙者たちの労働力への支配権を手放すのは惜しいと考えたらしいとのことだったでござるよ。
が、【王命】なるものが達成できなかったのは、すなわち王様が無能だったことになるらしいでござる。
王様が無能でないことを証明にするには、王命を達成できなかった臣下が無能ということにしなければならないらしいでござった。
……それはすなわち目の前の老騎士の責任というわけだった。老騎士は所領と家財と屋敷の没収の上に追放処分の下知が下っていた。
も、もはや拙者たちも他人事ではござらん (;’∀’)
「で、拙者たちは何をすれば?」
拙者のとなりではポコとウサが鼻水をすすりながら泣いていた。
「こ…この私を雇ってくだされ!ごふぉっ!」
……老騎士はせき込みながらにブタたちに嘆願してきたのだった。
☆★☆★☆
今日の空は丸太小屋の天井。
……まさかゲームの中まで勉強させられるとは…… (´;ω;`) キビシッ。
老騎士が、拙者にこの世界の学問を教えてくれている。
「……であるのでありまして~」
(@ω@`) 【内政】ってムズイね……。
「次は、【軍役】です。さて~」
「ぽこ~♪」
「うさ~♪」
二人は退屈してたので、釣りに行ってきて貰っていたのでござる。
「釣りおつかれさま! 二人もいっしょに…」
ピコピコピコ……。
ぇ? ……二人ともゲームにいくのですか?… (´・ω・`) 気持ちはバッチリよくわかるでござるが。
……さて、拙者たちが請け負う【軍役】とは、つまるところ。
【将官 および 騎士】 …… 5名 (内訳……拙者・ポコ・ウサ・老騎士)
【歩兵】 …… 25名
【弓兵】 …… 10名
【荷駄】 …… 10名
以上計50名を、王様の定める【寄親】であるボロンフ辺境伯爵様の指揮下で、戦時になれば『動員してくださいね』とのことでござった。
なんとか兵隊さんを集めなくては……ってか、そもそもこのあたりには住民のみなさんがほとんどいませんね (;’∀’)
どうしますかね??(動揺)
「……あれ? 騎士枠が一人たりなくないでござらぬか?」
「そこはボロンフ伯様の【軍監】が一名入ります」
家庭教師役の老騎士はキリキリと答える。
「なんでござる? それは?」
「お目付け役でございますよ、領主さま。貴方が戦場で裏切らないように」
「ぇ~?!」
「ボロンフ伯爵様の軍にも、王国からの【軍監】がはいりまするゆえ……」
…(´・ω・`)
「まぁ、今日はここまでにしましょう!」
「わ~ぃ♪」
拙者は歓喜し、ポコ達と一緒に『老騎士さん歓迎の鍋パーティー』の準備をするでござるよ~♪
力の強いウサが薪割をし、器用なポコが鍋具材切り分け、拙者は……、
「ブタは邪魔ポコ~!」
…(´・ω・`) 怒られた。
その晩、拙者たち3匹と1名は石狩鍋パーティーをしましたでござる。
老騎士さんには銅のインゴットをいくらか渡してあるから、あとは何とかなるはず。
ヾ(▼ω▼´メ)ノ がぉ~!!
じい様騎士のお酒を誤って飲んだ我が軍武力最強のウサが暴走!
(‘д‘⊂彡☆))Д´) ぱ~ん ☆
……ブタは酔ったウサにシバかれて気絶した (´xωx`)無念。
「…ブヒ、石狩鍋おいしかった❤」
「……ブヒブヒ…??」
「ブヒブヒブー(熱い、熱い……)」
Σ( ̄□ ̄|||) 何?何? なんぢゃぁぁぁ??
拙者が飛び起きると丸太小屋は、既に火の海でござった。
「アチチチチ……」
「火事ブヒ~!!」
「誰か助けてぶひ~!」
「おうよ!」
…… へ?? いま誰が何を言った??
ガシャーン!(金属音)
(・皿・`;) ぇ?
拙者は丸太小屋を焼け出されたあげく、捕虜収容用のような檻にぶち込まれたでござる。
……しかも、きつく縛られたでござる。
( ‘д‘⊂彡☆))Д´) ぱ~ん ☆
ブタは頭をシバかれ、今日2回目の気絶となった上、さらにドナドナされていったのであった。
「ブヒ……(´Д⊂ヽ モゴモゴ……」
ブタが目覚めたのは薄暗い洞窟の中だった。
「ブヒブヒ……頭のタンコブが二つも …痛い (>_<) 」
……頭をさするブタの目の前に大きな影が座りこむ。
「ブヒ?」
「ぶぅぶぅ!」
Σ( ̄□ ̄|||) ブタ語が通じた? 相手は獣でござるか??
「……まぁ……聞けや」
物凄く低くて怖い声の主が拙者に話かけてきたのだった……。
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