王子は、ヒロインを側に抱いて高らかに叫んだ。
「こ、公爵令嬢、アリーシャ!
そなたの傲慢さと、この私の最愛のピピに した悪辣非道ないじめ! 愛想がつきたぞ。
よって、今、この時を持って婚約を破棄す‥」
「いや、いま、それどころじゃないから!!
つーか、手伝えや、バカ王子!!」
どうして、こうなったのか‥
昔はまだ、もう少しましだったのに。
少なくとも、こんな時に‥魔物襲来時に婚約破棄なんてしない人だったのに!
私は心の中で叫び声をあげた。
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