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第二十八章
長年勤めた会社はクビになった…
長年、寄り添った妻は家を出て行った…
家に居るはずの子供も居なくなっていた…
何もかも失った…
ただ…
一つのアイコン
いつまで経っても、逢わなくても、彼に優しさを与えている、白い百合のアイコン…
何故、お前は、そんなに俺に優しいのか?
彼は、その理由を知りたく、故郷にあるスナックに顔を覗かせた。
そのスナックの雇われママが、白い百合のアイコンの持ち主だ。
名前は律子
彼は歯にかみながらカウンターの席に座った。
いらっしゃい
何十年ぶりかの来店にも構わず、律子は彼に微笑む。
どうして、そんなに優しいのか、お前は、俺に…
人生に挫折した1人の中年男性の心に灯る、微かな光を心理描写的に展開するヒューマンドラマ。