「なになに……『この課題は、書類を開くと同時に自動的にタイマーが作動し、そこから1時間で実施していただきます。1時間経過後は課題に取り組むことが出来なくなるためご注意下さい。準備ができたら“開始”ファイルを開いて下さい。また、課題の最中に質問事項等があった場合、オンライン通話機能を用いて担当者に質問が可能です』か。
なるほど、時魔法と雷魔法を組み合わせた自動式演算機能付の暗号ファイルだね。あは、最近の採用試験はこんなこともしちゃうんだ、すごいな」
大日本帝国、その中でも遠い遠い北の大地、デッカイドウ。さらにその東、ドウトー。
年中吹雪が巻き起こるその地のボロアパートに、やたらと美人な娘が1人。
「課題の前におトイレおトイレっと……」
ぼろん。じょぼじょぼじょぼ。
「はあ、トウキョーはおトイレ革命でどこもピカピカになったって聞いたし、ボクもトウキョーで働きたいなあ」
からから。ふきふき。ぽいっ。
「よし、どんな課題が来てもボクなら大丈夫。ボクも合格してトウキョーに行くんだ!」
「課題、準備良し。ココア、準備良し。ボクの心、準備良し。――じゃあ、やりますか」
“開始“ カチッ。
『これは、行政改革ギルドの中途採用試験問題です。1時間以内にすべての問題を解いていただき、行政改革ギルドにメールで返送するまでが課題となります。メールが返送されなかった場合、その時点で不合格となりますのでご注意下さい。
第1問はタイピング試験です。以下の【タイピング試験開始】ボタンを押すと、タイピング試験画面に遷移します。画面に表示される文字を、1分間で出来る限り多く入力して下さい。入力できた量、その正確さをテスト致します。
【タイピング試験開始】 』
『第2問。魔法学校に取り入れるべき教育として、あなたが考える相応しい教育内容を述べなさい。また、その理由についても述べなさい』
『第3問。あなたの身近で困っている些細な問題を1つ挙げなさい。それを解決するためには、どのような方法があれば良いか述べなさい。この際、金銭的制約を無視できるとします』
『第4問。大日本帝国で使用されるスパコン、富岳。これを活用して、貴方ならどんなビジネスを実施するか、アピールポイントと共に述べなさい。この際、金銭的制約を無視できるとします』
『第5問。今回、行政改革ギルドでは定例的に実施していた筆記試験、並びに面接を廃止することとしました。これに伴う削減コスト、年間の業務削減量を推定しなさい。なお、推定に当たっては関連する条件を自身で定めてよいものとします』
『――第20問。大日本帝国において、一般的にマナーとされる事項のうち、これは廃止すべきと思うものを2つ以上述べなさい。また、それらのマナーを新しいものに作り変えるとするならば、あなたはどのような物にするか述べなさい。』
『問題は以上です。
すべての問題を解き終えたら、担当者にメールまたはチャット機能を用いて返信して下さい』
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