異世界ギルドで業務効率化

―残業なし、年間休日130日、有給消化率100%の職場です―
のちのちザウルス
のちのちザウルス

プロローグ

公開日時: 2021年3月23日(火) 20:00
文字数:565

現代日本で声高に叫ばれている言葉がある。

 

――業務効率化。

 

1億総活躍社会を目標として掲げられた昨今、老若男女を問わず、あらゆる人材があらゆる場面で活躍を求められている。飲食業、アパレル業、インフラ業、建設業、名前も知らない中小企業……場所や事業規模、人種をも超えて、人々は毎日仕事に明け暮れているのだ。一方で、かつての高度経済成長期では常識だった「24時間働けますか」のような長期間残業は(一部を除き)鳴りを潜め、何か問題が明るみになればメディアやSNSでコテンパンにされる時代である。


そんな時代の折、政府は国策として企業へ『業務効率化』を求め始めた。これまで長時間労働によって無理矢理に成果を出してきた日本も、他国に技術力がどんどん追い抜かされているという現状。日本政府もこれを我慢できなくなったのか、国家として技術革新への足掛かり及びアプローチを行うべく効率化という手段を求めたのだろう。

しかしながら、そのアプローチは政府主体ではなく企業へ丸投げな辺り、政府もどこか投げやりというか「効率化なんて一体どうしたらいいんだろう……まあ、企業に任せて各自やりやすいようにやってもらえばいっか!」程度にしか考えていないのかもしれない。


さて、効率化に必死な日本とは別の異世界にも、業務効率化の波が押し寄せようとしている。

これはそんなお話。

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