あれから2ヶ月。俺は屋敷の裏庭で魔法の練習をするのが日課になっていた。
この日課を初めてから1ヶ月の頃はすぐに魔力が無くなって動けなくなってたけど最近では少しずつ魔力切れまでの時間が長くなっている気がする。
後からわかったことだがどうやら光魔法と闇魔法は他の基本属性4つよりも消費魔力が少し多いようだ。
なのに何故最近魔力切れまでの時間が短くなっているのか、これについては理由はわかっている。
一般的にも知られている事だけど魔力は小さい頃に魔法を使えば使うほど魔力量が増えるらしい。何故小さい頃かと言うと体の仕組みと似ていて使えば使うほど限界値が増えて魔力量も増えていくらしい。
けどこのやり方には欠点がある。増えやすいと言っても相対的に見たら約3分の1ぐらいまでしか増えない事だ。それ以上伸ばすためには才能にも大きく左右されるがより過酷な努力が必要なようだ。そんなことを子供の頃からやろうとする人は当然いない。
けど俺は、あの誕生日の夜に決めたんだ絶対に魔法学院に入って魔法師団になると。
そのためならどんなに辛いことでも乗り越えてみせる!
ただでさえ光属性と闇属性は他の属性よりも消費魔力が多いんだ。戦ってる途中に魔力が無くなって動けないですじゃ話にならないしまともに使えるようにはなっておかないと!
そうと決まれば早速練習だ!
今俺が使える魔法は光弾、闇弾この2つだ。
他にできることといえば明かりを付けたり目くらましをしたりするくらいだ目くらましは実戦ぐらいでしか使えないし普段使えそうなのは光属性かな?
現状できることはこの2つの魔法と光属性を上手く使ってひたすらに魔力を使い果たして魔力の許容量を増やすこと!魔法が使えなくなったら回復するまでは屋敷の図書館で魔導書や魔法についての本を読んで勉強しよう。
そうして俺がひたすら裏庭で魔法を撃っていると少し遠くから声が聞こえてきた。
「レオ様ー!お父様がお呼びです!」
そう言ってカレンが息を切らしながら走ってきた。
父さんが? なんの話だろう…
「わかった!今行くよ!」
そうして俺は父さんのいる書斎まで急いで向かう。
書斎に着いて扉を叩くと父さんから返事が返ってきた。
「入っていいぞ」
「失礼します。父さん、カレンから話があると聞いているのですが…」
「あぁ、そうだ話と言うのは次の月の初めにある王城での披露宴のことについてだ
話ぐらいならお前もアラン達から少し聞いているだろう?」
「はい、国の貴族とその歳に5歳になった貴族の子息が集まり顔を合わせるパーティーの事だとアラン兄さん達からは聞いています」
「大体はその通りだ。俺は毎年当主として参加しているが、今年はレオお前にも参加してもらう。今日呼び出したのはその時の衣装合わせや準備について母さんたちと話しておいて貰おうと思ってな」
「わかりました。母さんたちには俺から伝えて起きますか?」
「いや、俺が伝えておこう。披露宴まであと3週間、時間は少なからずあるからなゆっくり話し合ってくれ。」
「わかりました」
「あぁ、それともう1つ。最近裏庭で魔法の練習をしているようだな。進捗はどうだ?」
「はい。俺の属性は他の基本属性よりも消費魔力が多いことがわかったので今は魔力量をあげるためにひたすらに魔法を使ってます」
「そうか、くれぐれも怪我のないようにな。お前の気持ちも嬉しいが親にとって何よりも大事なのはお前自信だ」
「大丈夫ですよ。時間の空いている時はカレンも着いてくれているので」
「そうか、それならいいのだが…」
「話し以上ですか?」
「あぁ、時間を取らせて悪かったな」
「いえ、それでは失礼します…父さん、ありがとうございます」
そう言って俺は書斎を後にした。
レオが去った後書斎ではジンと執事のゼルが話していた。
「全く、子供は少し目を離したと思ったらどんどん成長しているな」
「私から見てもつい最近まであんなに可愛かったレオ坊っちゃまがいつの間にか逞しくなっておいででとても嬉しい限りです」
「アランもレオぐらい逞しくなってくれれば安心して当主を任せられるのだがな」
「あの性格こそがアラン様の魅力ですあの人だからこそ着いてくる人がいるに違いありません」
「そんなものか…」
「そんなものですよ」
そう言ってゼルは微笑み父さんも笑いながらしばしの談笑を楽しんだ。
「そうだ、リセナにも披露宴の事を伝えておかねばな」
「奥様をお呼びいたしましょうか?」
「あぁ、頼む」
「かしこまりました」
ゼルは一礼して書斎を跡にした。
その頃レオはと言うと書斎を出たあと裏庭に戻りまたひたすらに魔法の練習をしていた。
「ふぅー、今日はこれくらいかなもうクタクタで動けないや。少し休んだら図書館に行こう」
そうして少し休んだあとレオが図書館に向かうとどうやら先客がいたようだ。
「あれ?アラン兄さんどうしたの?」
「あぁ、レオか俺もあと2年で父さんの下で働くことになるだろ?だから時間のある時はここで外交や必要になりそうなことについて勉強してるんだよ」
この国では18歳から成人で貴族の長男は将来家を継ぐために成人してから数年間は当主の下で働くことになっている。アラン兄さんも今年で16歳になったから今から将来のために勉強しているようだ。
「そう言うレオはどうしたんだ?図書館に来るなんて珍しいじゃないか」
「俺も魔法について勉強しに来たんだ。今までは魔法をひたすら練習してただけだけど魔力を回復してる間も時間を無駄にしたくなくて今日からは魔導書や魔法学について勉強してみようかなって思って」
「そうだったのか。やっぱりレオは凄いな俺なんかよりも全然しっかりして見えるよ」
「そうかな?俺にとってはアラン兄さんも十分しっかりとした尊敬する兄さんだよ」
これは全て本心だ。アラン兄さんはあぁ言うが俺から見ればアラン兄さんだって十分凄い人だ。
確かに普段は少し頼りないけどこうして今も将来をしっかり考えているし母さんから聞いた話によれば小さい頃から貴族の長男としてずっと父さんにくっついて内政について勉強していたらしい。この人ほど真面目な人は同じ世代にもそんなにいないだろう。
「お前にそう言って貰えると俺も嬉しいよ」
アラン兄さんはそう言って少し笑ってみせた
そこで俺はアラン兄さんに聞きたいことがあるのを思い出した。
「そうだ!アラン兄さん。1つ聞きたいんだけど、アラン兄さんの時の披露宴ってどんな感じだった?」
「披露宴?そうかレオももうそんな歳か、俺の時はとにかく大変だったなぁ。まだ子爵になる前男爵の頃だったから今以上に一部の上級貴族の人の目が痛かったよ」
この国では身分差別は罰せられているがそれでも中には納得出来ない人がいるみたいで特に一部の伯爵以上の人にその傾向が強いらしい。
「そっか、そうだったんだ」
「けど、それでも父さんは全く嫌な顔せずなんと言われようとも堂々としていたなぁ。子供の俺には凄くかっこよく見えたのを今でもよく覚えているよ」
「やっぱり、父さんは昔からかっこよかったんだね」
「あぁ、その後俺がなんで父さんはあんなに酷いこと言われて平気なのか聞いたら父さんなんて言ったと思う?」
「なんて言ったの?」
「『俺は元平民だからああやって言われてしまうのも仕方がないんだ』って言ったんだぜ?」
父さんは元は平民で魔法師団に入っていた。その時に大きな功績を挙げて貴族になったと聞いている。
「あ、でもその後にこうも言ってたな『我慢してる訳でもないんだぞ?父さんだって嫌なことはある。だけどなんと蔑まれようとも俺は元平民でそれが事実だ俺は平民に生まれたことを後悔してない。だから嫌じゃないんだ。けどなそんな父さんにだって嫌なことはある。
俺の息子だからという理由でお前達が巻き込まれることだ。だってそうだろ?俺は元平民だがお前たちは違う。俺が貴族となってから産まれてきてくれたお前たちは正真正銘の貴族だ!馬鹿にされる言われなんてないさ!
だから俺はお前たちがバカにされないようにお前たちの前でだけは堂々といようってアランが産まれた時に誓ったんだ。』ってその時は本当に嬉しかった。父さんが俺の事をどれだけ大切にしてくれてるのかわかってさ」
父さんは兄さんにそう言ったらしい。やっぱり、僕達の父さんはかっこいいな。
「それを聞いた時俺思ったんだ。あぁこの人が父親で良かったってだから俺も人前に出る時はなるべくしっかりしようとして人一倍勉強もするようになったんだ。まぁ今でもまだ人前は緊張するけどね」
そう言いながら兄さんは少し苦笑いをしていた。
「やっぱり俺、父さんみたいな凄い魔法士になりたい。そのためにはこんなことしてられない!早速魔導書探すぞー!」
「あぁ、お互い頑張ろうなレオ。って聞いちゃいないか」
そうして僕はその日はずっと魔導書や魔法学についての本を読み漁った。
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